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究極のカツオ・マグロの「モチガツオ」「モチマグロ」に舌鼓!漁場近くでしか食べられない一品〜鳥羽の旅館「芭新萃」〜

昨冬には海のフォアグラとも呼ばれる「カワハギ」料理を楽しんだ鳥羽市の和風旅館「芭新萃(はなしんすい)」で、これからの季節におすすめの魚料理があることを知り、またしても泊まりに行ってきました。 なんでも、普通のカツオやマグロとは全然異なる美味しさを持つ「モチガツオ」や「モチマグロ」と呼ばれる魚が食べられる、とか。 漁師町ならではの鮮度抜群の海鮮料理を求めて宿泊しましたので、その様子をレポートしたいと思います。

記事制作 / みえ旅アンバサダー 家田美央

▼ 目次

みえ旅アンバサダーの家田美央です。

普段はフリーランスのライター、フォトグラファーとして三重県中を飛び回っています。

従来のイメージを覆すような特徴を持っているカツオやマグロを、伊勢志摩地方で唯一提供してくれるとのことで、喜び勇んで「芭新萃(はなしんすい)」さんへとお出かけしました。

幼いころより「好きな食べ物は寿司と刺身」と言ってきた身としては、そんな噂を耳にして、訪れないわけにはいきません。

驚きの食体験ができる料理自慢のお宿

芭新萃とは、漁師町である鳥羽市石鏡(いじか)町にある和風旅館です。

海を臨むドライブウェイであるパールロードを志摩方面へ向かって走り、「海の博物館」へと曲がる道を通り過ぎて間もなく左手に看板が見えてくるので、そこを左折。そこから2分ほどで、迷わず到着です。

公共交通機関を利用する人は、鳥羽駅の近鉄側出口から旅館の無料送迎バス(14:30、15:30、16:30の1日3便、要事前予約)が運行されているので、これを利用してくださいね。

鳥羽駅から25分ほどで到着します。

すがすがしい真っ白ののれんがはためく、堂々としたエントランスを抜けて館内へ。

美しい季節の生け花が来る人を歓迎してくれています。

前回同様、笑顔の素敵なスタッフさんに出迎えられチェックイン。

ロビーラウンジに広く取られたガラス窓からは、波穏やかな伊勢湾を眺めることができます。

この海への近さが素晴らしい海の幸との出会いを約束してくれているようで、到着するなりお腹がすいてきました。

さて、お部屋へ移動し、荷物を置いて部屋着に着替えたら、本日最大のお楽しみの晩御飯へと向かいましょう。

夕食には伊勢志摩で獲れる旬の魚介類がたっぷり

食事は1階にあるダイニングルーム「孝舞亭」でいただきます。

食事会場はロールカーテンなどでグループごとに仕切られているので、プライベート感が守られ、自分たちのペースで食事ができます。

今回、私たちが利用したのが、「ラッキーなら【もち鰹・鮪】食べれる!漁港から直送!地魚の刺身盛付会席♪」という宿泊プラン。噂のモチガツオやモチマグロのほか、伊勢海老やカワハギ、志摩産のモズクなど、伊勢志摩で獲れる鮮度抜群の海鮮料理をたっぷりと味わえるプランです。

他にも和牛を盛り込んだプランや、伊勢海老とアワビをメインとするプランなどもあるので、どれにしようか迷ってしまいます。

独特のモチモチ食感を持つお造りにびっくり!

これ以上もったいぶるのも面倒なので、この日の料理を一気に紹介します。

コースは食前酒に始まり、

  • 前菜ー蛸塩辛雲丹風味、鯵から揚げ雲丹風味、茗荷寿司、とうもろこし袱紗焼き、菠薐草(ほうれんそう)白魚のお浸し
  • 造りー本日のお造り(モチガツオ、モチマグロ、カワハギ、ニザダイ)
  • 向付ー合鴨ロースパストラミ トリュフソース
  • 台物ー伊勢海老アメリケーヌソース
  • 特皿ー鰤の鍋物
  • 冷鉢ー旬野菜の冷たい煮物
  • 中皿ー海の幸のパイ包み焼き
  • 揚物ー季節魚と山芋の揚げ出し
  • 香物ー黒胡麻牛蒡漬け、野沢菜とキャベツのわさび漬け
  • 汁物ー志摩産水雲(モズク)の赤だし
  • 御飯ー漁師のまかない丼
  • 水物ー抹茶牛乳プリン

※画像のお造りは2人分です。

どうですか?この華やかで、品数豊富な料理の数々。

芭新萃ではフランス料理のエッセンスも取り入れた創作風会席料理を提供しており、「伊勢海老アメリケーヌソース」や「海の幸のパイ包み焼き」などの洋風料理もコースに加えられているのが特徴です。

 

そしてこれが今回の目玉料理である「モチガツオ(中央手前)」と「モチマグロ(右端)」。

名前の通り、つきたてのお餅のようなモチモチとした歯ごたえで、赤身魚特有のクセや血生臭さが感じられない、新感覚のお刺身でした。

魚好きとして今まで何十、何百とカツオやマグロを食べてきましたが、こんな食感と味は初めてです!

このモチガツオとモチマグロ、普段食べているカツオやマグロと魚の種類が異なるわけではありません。全水揚げ量の中のわずか数%の魚だけが、このモチモチとした特徴的な肉質を持っているのだそう。

身がぎゅっと固くならないよう、釣ってすぐに適切な処理を行う必要があり、漁獲されてからわずか3~4時間しかこの食感を保つことができません。これ以降は死後硬直によりモチモチ感が失われてしまうんだとか。

つまり「モチガツオ」と「モチマグロ」は、日帰りのカツオ・マグロ漁がある場所でしか食べられない、鮮度を追求した究極の味なのです!

食べなれたカツオやマグロとの違いを検証

今回特別に、普段食べているカツオやマグロと並べて見比べさせていただきました。

左がモチガツオ、右が通常出されているカツオ。

モチガツオの方が鮮やかな赤身なのが良くわかります。

 

続いて、左がモチマグロ、右が通常出されているビンチョウマグロ。

モチマグロの方が赤身が鮮やかで、透明感があります。

 

お造りはほかにもニザダイ(サンジルシとも呼ばれます)とカワハギも一緒に盛り付けられています。

ニザダイはこれまで臭みのある磯魚としてあまり流通してきませんでしたが、丁寧に活〆めをすると臭みもなく、大変美味しく食べられるため、未利用魚の価値を上げる意味でも芭新萃では積極的に使われるようになりました。

よそで食べたことのない魚に出会えるのも大きな喜びです。

締めの「漁師のまかない丼」は、熱いだし汁をかけて、この地方ならではのお茶漬けとしての食べ方も提案されました。

今回もお腹がはち切れそうなほど満腹になりました…。

他のお客様にも食べた感想を聞いてみました

同じ日に食事を楽しむ他の宿泊客の方にも、モチガツオとモチマグロの感想をお聞きしました。

名古屋から訪れた母娘2人組のお客様は、

「初めて食べた時は、わらび餅みたいな食感だと思いました。伸びるような弾力があり、全然臭みがないのでびっくりしました」

と、初めての食体験に驚かれたそうです。

また、大阪からお越しのお子様連れのご家族は、

「毎年、様々な場所へ旅行に行っていますが、こんなモチモチの魚は初めて食べました。赤身の魚は苦手ですが、このモチマグロとモチガツオは美味しくいただけました」

と、こちらも驚きを隠せないご様子。

海鮮料理を食べなれた人も、赤身魚が苦手な人も、モチガツオとモチマグロの魅力に大変驚かれたようです。

目利きスタッフがごくわずかなモチガツオとモチマグロを選別

芭新萃では魚の目利きである代表取締役の辻さんが、毎朝、志摩市の和具漁港や波切(なきり)漁港へ仕入れに走っており、直接競りに参加して魚を手に入れています。

お目当ては天然ものの魚介類のみ。

大量に水揚げされるカツオやマグロの選別作業の中から、モチガツオやモチマグロの特徴である丸っとしたお尻の魚を見つけ、ピックアップ。

伊勢志摩の旅館関係者でもモチガツオやモチマグロの存在を知らない人が多いらしく、この料理が食べられるのは芭新萃だけとお聞きしました。

「伊勢志摩の新しい名物にしたい」と、旅館スタッフや料理人の気合も十分です。

お部屋とお風呂を2023年7月にリニューアル

本日泊まるのは畳のお部屋に大きなベッドが備えられた客室。2023年7月に改修されたばかりなので、綺麗でゆったり快適です。

美しい石鏡の海を臨むことができるオーシャンビューのお部屋を用意していただきましたので、明日の朝に見える景色が楽しみです。

館内にある展望大浴場では、榊原温泉から運ばれたお湯が楽しめます。

とろみのあるお湯は皮膚代謝を高めて肌を生まれ変わらせる効果があるため、「美人の湯」と呼ばれています。

ゆっくりお風呂に入って、この日はぐっすりお休みしました…。

心に残る旅の体験を

印象に残る食体験ができる芭新萃での宿泊は、今回も大満足な内容でした。

特に「モチガツオ」と「モチマグロ」という驚きの食材に出会えたことは貴重な経験となりました。

日帰り漁が行われる4月から9月ごろまでモチガツオとモチマグロが楽しめるそうなので、ぜひこの驚きと美味しさを多くの方に体験していただきたいです。

なお、荒天など様々な理由でお目当ての魚が手に入らない場合もあるので、ご了承ください。

芭新萃の営業案内・アクセス

【住所】 鳥羽市浦村町1850-33

【電話番号】 0599-32-6100(受付時間10:00~18:00)

【公共交通機関でのアクセス】

・JR・近鉄「鳥羽駅」から無料送迎バスで約25分(14:30、15:30、16:30の3本 ※要事前予約)

【車でのアクセス】

・伊勢二見鳥羽ライン「鳥羽IC」から車で約30分

【駐車場】 あり(無料)

【料金】 ラッキーなら【もち鰹・鮪】食べれる!漁港から直送!地魚の刺身盛付会席♪ 4名様/1室(大人1名様料金) ¥17,100(税込)~

【URL】公式サイトはこちら

 

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家田美央の画像

家田美央

またしても大変美味しい海の幸をいただく幸福に恵まれました。
モチガツオとモチマグロの驚きを感じてもらうには、とにかく食べていただくのが一番。
お造りのニザダイの美味しさにもびっくりしました。
芭新萃さん、魚好きとして、ますます注目のお宿です。

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