三重県の潜水橋特集 意外と近くに在る秘境?絶景の潜水橋を楽しもう!この暑い夏を快適に過ごす為の「涼」をお届けします!【前編】

掲載日:2021.08.03

皆さんは潜水橋(せんすいきょう)というものをご存知ですか?三重県内では沈み橋(しずみばし)や潜り橋(もぐりばし)、沈下橋(ちんかばし)とも呼ばれています。以前の記事で「朝明川の洗い越し」を紹介した際に色々と調べる中でその魅力を知り、拙僧自身がとても気になったので各地を探索して来ました!(笑)

◆記事作成:MAMMY(マミー) #みえ旅カメラ部
僧侶と写真家、二足の草鞋を履く僧侶フォトグラファー
鈴鹿市在住 カメラ歴:Nikon一筋13年
今回の取材でジムニーとバイクが更に欲しくなりました…。




今回は拙僧の得意分野の寺社仏閣では無く、夏らしさ満載の「潜水橋」をご紹介。少々マニアックな気もしますが興味を持っていただけたら嬉しいです。似た様な写真が多いかもしれませんが皆さんに少しでも涼しさをお届け出来たら幸いです!
ひとくくりに沈み橋と言っても様々な形や種類が在る様で、拙僧が知り得た範囲ですが説明を含めご紹介出来ればと思います。

木津川 笠部(かさべ)沈み橋(伊賀市)

青い空に白い雲、緑の草木とまさに夏ですね!(笑)撮影時は勿論汗だくですが、川のせせらぎと時折吹く風に癒されます。ここの奥には堰堤(えんてい)と言う川水を他に引いたり流れを緩やかにしたり、また釣り場を作ったりする為の堤防が在ります。そのお陰か数人が釣りをしていましたが、撮影に夢中で何が釣れるのか聞くのを忘れてしまいました。(汗)

車が通った様なタイヤの跡もありますが、その先の茂みを見ると渡り切れそうにありません。水量もそれなりに有りましたし橋桁(はしげた)が高く、奥の土砂がある部分も草が生い茂っていたので降りるのは断念しました…。


古郡(ふるこおり)沈み橋(伊賀市)

ここも橋の長さに対して水の流れる幅は半分以下か、土砂が見えない程に草が生い茂っています…。

さて、そもそも潜水橋がどの様なものという事を説明し忘れていましたね。(汗)

潜水橋とは、両岸の堤防より低い位置で架けられた、大雨等の増水時には水没する様に造られた橋です。その為に流木等が引っ掛かって橋に負担がかからない様に欄干(らんかん)が無いのが特徴です。

軽トラックなら何とか通れる位の幅で、少しタイヤの跡が見えます。笠部よりは茂みが少なく通り易そうです。


比土(ひど)沈み橋(伊賀市)

此処はこれ迄で一番頑丈な造りで、普通車でも余裕で通れる幅でした。橋桁の端には反射板も付いているので夜でも安心ですね。(笑)

潜水橋を巡っている時によく見たトンボ。透き通った水の中で水草がゆらゆら、その上に止まって産卵中?今回は24-70mmのレンズ一本勝負で撮影に臨みましたが、こういった被写体に巡り会うとやっぱり望遠レンズも持って行けば良かったと後悔しました…。(涙)

川に降りる事も可能でしたが、藻で滑り易そうでした。タイミング良く車が通ってくれました。もちろん拙僧もこの後、次のポイントに行く時にこの橋を渡りました!


名張川 夏見(なつみ)流れ橋(名張市)

ナビ通りに向かったら、すごく狭い所に行き当たりました。更に歩いて向かうと橋の手前は民家の間を潜り抜ける様な坂道だったので、抜けて橋が見えた瞬間テンション上がりました!(笑)

今回初の木製の橋桁です!しかもワイヤーで繋がれています。
この様な橋脚の上に木製の橋桁を敢えて固定せずに設置してある橋を「流れ橋」と言うそうです。その名の通り増水時には橋桁が流される様に設計されています。平常水位に戻った時にワイヤーのお陰で流されながらも残った橋桁を元にあった場所へ戻せば、あっという間に橋が復活します!

夏見流れ橋へのアクセスは反対岸からの方が正解だったかもしれませんが、テンションの上がり方を考慮すると、今回の方が正解だったかもしれませんね。(笑)

流れ橋から上流側の景色も絶景です。この様に川に近い所から撮ることが出来るのも潜水橋や流れ橋ならではですね。


朝日沈み橋(名張市)

此方の沈み橋は結構な長さが有りました。草が生い茂っているのも対岸のみで、川幅もしっかりと有ります。橋脚の形も今迄と違います。水の抵抗を減らす為か端が三角に尖っています。

橋桁の幅はそれなりですが、対岸の山裾は生い茂っていて車は通れそうに有りません。この道を下流側に少し歩いて、生い茂った草を掻き分けて川岸に出た所でやっと橋の全貌を撮る事が出来ました。

夕方に差し掛かって太陽が山に隠れてしまい、少し暗い感じになってしまいましたが、橋以外の人工物が無い写真いっぱいに川が流れる良い写真が撮れました。


大屋戸(おおやど)沈み橋(名張市)

橋の長さは今回の中で最長かも?対岸側は結構生い茂っていますが、それでも川幅は広かったです。時間が無かったので対岸まで行けませんでした…。

橋の高さは無く、簡単に降りる事が出来ます。下に降りて釣りをする人や、犬の散歩をしている人もいました。

橋脚は尖っているタイプでした。背景の山には白い風車も見えますね。原付バイクで犬の散歩をしていたのでパシャリ!(笑)バイクでこの橋を渡ったら絶対に気持ち良いですよね!


宇陀川 猪尻(いのしり)沈み橋(名張市)

此方は川幅が狭い為か、端までのアプローチが急でした。

川の水は透き通っていて綺麗です。水流は穏やかで、川底も砂混じりなので比較的安全です。

この全景を撮り終えた時に、地元の人に「なに撮ってるの?」と声をかけられ「沈み橋を撮りに来ました。」と答えたら「あ、そうなんや。」と笑いながら去って行きました。(笑)


雲出川 石橋沈み橋(津市)

此方の橋はどちら側でも安全にアプローチ出来ます。橋の全長は長いですが、大半が中洲になっており草も生い茂っているので降りる事は出来ませんでした。

此処は橋の後ろに近鉄線が通っているので鉄道好きには堪らない構図ではないでしょうか。(笑)今度は青空の下、特急ひのとりと共に撮ってみたいと思います!

車の行き来もそれなりに有りました。対向車とすれ違う事は出来ませんが普通車も通れそうです。全長が長いので前を良く確認しないと橋の真ん中でバッタリなんて事になったら大変そうです。(汗)

橋桁には白線も引いてあります。中洲の方には数ヶ所、人二人ほどが避難出来そうなスペースが有りましたが、バイクでは厳しそうです。


真見(まみ)潜水橋(津市)

BBQなども出来る長期滞在型農園施設「リバーパーク真見」へ行く為の橋です。これまでの橋と違いアスファルトで舗装されています。こちらは普通車でも余裕で通れる幅広タイプ!

見た目もこれまでの橋より頑丈そうで、まるで堰堤の様です。そのお陰か昭和初期から一度も橋が流されたことは無いそうです。渡った先のリバーパーク真見には駐車場も有り、安全に川に降りる事が出来て、遊ぶ事も出来る様です。

橋の少し上流にも堰堤が有り、水面も穏やかでリフレクションも楽しめそうです。奥には桜並木も有るので春は綺麗でしょうね。

もちろん自己責任ですが、リバーパーク真見を含むこのエリアは比較的安全に遊ぶ事が出来そうです。


まとめ
どうでしたか?少しでも涼を感じて頂けたでしょうか?

是非とも実際に出向いて楽しんで頂きたいのですが、気を付けて欲しい事も有ります。当たり前の事ですが、地元の人の迷惑になる行為は絶対にしないで下さい。狭い所も多いですし、交通の妨げになる様な路上駐車や、勝手に敷地に侵入する事も絶対にしないで下さい。
また、川で遊ぶ時も「川のルール」が有ります。増水したら近づかない、禁止区域では遊ばない等、しっかりと確認した上で遊びましょう。

次回【後編】でも、三重県内の潜水橋をご紹介しますのでどうぞご期待ください!
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