【前編】「南紀・熊野古道フリーきっぷ」で行く!熊野古道・伊勢路モデルコース|特急「南紀」で三重・東紀州をめぐる旅
掲載日:2026.10.02
特急「南紀」に乗って、熊野古道へ!「南紀・熊野古道フリーきっぷ」を活用して、東紀州の自然やグルメを楽しみながら、世界遺産「熊野古道」を歩いてみませんか?伊勢路編では、1日目に尾鷲ヒノキの森と美しい石畳が続く「馬越峠」、2日目に熊野灘を望む「松本峠」へ。列車やバスを使って、ゆったりと東紀州をめぐります。
提供:南紀・東紀州交通対策委員会
特急「南紀」で行く、熊野古道・東紀州の旅
熊野古道の旅のスタートは、特急「南紀」から。
快適な車内で、世界遺産「熊野古道」をはじめとする三重県・東紀州への旅を楽しみましょう。
特急「南紀」で快適に熊野古道へ
特急「南紀」は、2023年7月から新型のハイブリッド車両HC85系で運行されています。
HC85系は、ディーゼルエンジンで発電した電力と蓄電池を組み合わせ、モーターで走行するハイブリッド方式を採用。
静かで揺れが少なく、車内には全席にコンセントを備えるほか、無料Wi-Fiも利用できます。デッキには、三重県ゆかりの伝統工芸品などを紹介する展示スペースも。
車窓を眺めながら過ごす時間も、熊野古道への旅情を高めてくれます。
熊野古道の旅に便利な「南紀・熊野古道フリーきっぷ」
そんな特急「南紀」に乗って、熊野古道をお得に周遊できるのが、「南紀・熊野古道フリーきっぷ」です。
有効期間は3日間。名古屋市を中心に、愛知・岐阜・三重の主要駅など設定された出発駅からフリー区間まで、特急「南紀」の普通車指定席を往復で利用できます。
首都圏など遠方からお越しの場合も、東海道新幹線などで名古屋駅までアクセスし、そこからフリーきっぷを活用して、特急「南紀」に乗り換えるルートが便利でお得です。
さらに、フリー区間ではJR線や対象の路線バスが乗り降り自由で、熊野古道をめぐる旅にぴったりのお得な切符です。
切符には「伊勢路コース」と「中辺路コース」の2種類があり、それぞれフリーになるJR線やバスの区間が異なります。
「南紀・熊野古道フリーきっぷ」伊勢路コースで三重の熊野古道へ
名古屋から尾鷲までは、特急「南紀」で約2時間40分。車窓に流れる景色を眺めながら、ゆったりと東紀州へ向かいます。
今回の旅は1泊2日。1日目は尾鷲ヒノキの森と美しい石畳が続く「馬越峠」へ、2日目は熊野灘を望む「松本峠」へ。
熊野古道を歩くだけでなく、沿線の観光スポットやご当地グルメにも立ち寄りながら、公共交通機関で東紀州をめぐっていきます。
伊勢路コースでめぐる、熊野古道と東紀州
「南紀・熊野古道フリーきっぷ」の伊勢路コースでは、JR線の三瀬谷~熊野市間と、三重交通バスの指定区間がフリーになります。
- JR線:三瀬谷~熊野市間
- 三重交通バス:志子~長島駅前間、尾鷲駅口~鷲毛間、尾鷲駅口~瀬木山間、熊野市駅~千枚田・通り峠入口間
フリー区間では、JR線・三重交通バスともに乗り降り自由。熊野古道の各コースへのアクセスや、沿線の観光地をめぐる際にも活用できます。
三重交通バスのフリー区間を利用する際は、「三重交通バス乗車券」と「かえり」券を一緒に提示してください。
世界遺産「熊野古道」馬越峠(紀北町~尾鷲市)を歩く
東紀州の旅でぜひ歩いてみたいのが、世界遺産「熊野古道」の一部である馬越峠。
紀北町と尾鷲市を結ぶ峠道には、尾鷲ヒノキが生い茂る森と美しい石畳が続き、熊野古道らしい風情をたっぷりと感じることができます。
特急「南紀」で尾鷲へ!馬越峠を目指す旅のスタート
まずは、「南紀・熊野古道フリーきっぷ」伊勢路コースを使い、特急「南紀」を尾鷲駅で下車。普通列車に乗り換えて三重県北牟婁郡紀北町の相賀(あいが)駅へ向かい、駅から歩いて馬越峠を目指します。
バスを利用する場合は、三重交通バスに乗車し、「鷲毛」バス停で下車。「道の駅 海山」や馬越峠の登り口がすぐ近くにあります。
※2026年9月19日(土)から2027年2月28日(日)までの土曜日・日曜日・祝日に、三重県の実証事業「熊野古道伊勢路アクセスタクシー」が運行されます。
駅から峠入り口まで移動する際に、お得な料金(片道1,000円)で利用できるタクシー運行です。
詳しくは、「熊野古道伊勢路タクシー特設サイト」をご確認ください。
まず立ち寄りたい「道の駅 海山」
馬越峠へ向かう途中で立ち寄ったのが、「道の駅 海山」です。
2020年のリニューアルを機に、紀北町でトマトを中心とした農産物の生産・加工・販売を手掛ける「株式会社デアルケ」が指定管理者となり、地域の魅力を発信しています。
店内には、地元で採れた農産物や加工品など、紀北町ならではの商品がずらり。
熊野古道を歩く前に、飲み物や食べ物を準備したり、お土産を探したりするのにもぴったりです。
私のおすすめは、デアルケが手掛ける糖度の高いトマトを使ったスムージー「ハニートマト」!
トマトの青々しい風味はなく、フルーツのような爽やかな甘さ。
小さな種のつぶつぶ感も残っていて、楽しいアクセントを添えています。
トマトが好きな人はもちろん、「トマトジュースはちょっと苦手……」という人にも、ぜひ試してほしいドリンクです。
熊野古道歩きの前に、地元の素材を使った一杯でエネルギーチャージ。紀北町ならではの立ち寄りスポットです。
| 名称 | 道の駅「海山」 |
|---|---|
| 住所 | 三重県北牟婁郡紀北町相賀1439-3 |
| 電話番号 | 0597-32-3553 |
| 営業時間 | 9:00~17:00 |
| 定休日 | なし(元日のみ) |
| アクセス | 【列車】JR紀勢本線「相賀駅」より徒歩約25分 |
美しい石畳と尾鷲ヒノキの森へ
ひと休みしたら、馬越峠へ。
「道の駅 海山」から歩いてしばらくすると、熊野古道の道標が見えてきます。
さっそく、熊野古道らしい石畳の道へ。
馬越峠のシンボルともいえる苔むした石畳が続き、両側には尾鷲ヒノキの森が広がります。
この日はあいにくの雨。カッパを着て、足元を確かめながら、無理のないペースでゆっくりと歩きました。
熊野古道というと「長い距離を歩く本格的なトレッキング」というイメージがあるかもしれませんが、無理のない範囲で歩きながら、石畳や森の景色を楽しむのもひとつの旅のスタイルです。
体力や時間に合わせて、自分のペースで熊野古道を歩く。そんな楽しみ方も素敵ですね。
尾鷲ヒノキの産地として知られるこの地域ならではの、まっすぐに伸びる木々も印象的です。
ふと立ち止まって、雨に濡れた森を眺める時間も、熊野古道を歩く旅の醍醐味です。
| 名称 | 馬越峠(熊野古道伊勢路) |
|---|---|
| 住所 | 三重県北牟婁郡紀北町~尾鷲市 |
| アクセス (登り口) |
【列車】JR紀勢本線「相賀駅」より徒歩約35分 【バス】三重交通バス「鷲毛」下車すぐ |
馬越峠を歩いた後は、尾鷲のまちへ
馬越峠を越えて尾鷲駅方面へ。
歩いた後は、尾鷲のまちを散策したり、熊野古道にまつわる施設を訪ねたりと、周辺観光も楽しめます。
熊野古道センター
熊野古道や東紀州の歴史・文化について学ぶことができる「熊野古道センター」。
実際に熊野古道を歩いた後だからこそ、「さっき歩いた道には、こんな歴史があったんだ」と、より深く旅を楽しめました。
夢古道おわせ
尾鷲の食材を活かした食事処「夢古道おわせ」。
名物「古道ラーメン」と、蕎麦職人が手打ちする本格的な蕎麦のほか、週末は刺身定食を提供する「ほんじつのさかな」が出店します。
夢古道の湯
「夢古道おわせ」には、天狗倉山と熊野灘の海を望む絶景の湯処「夢古道の湯」もあります。
海洋深層水を使ったお風呂で歩いた後に汗を流しながら、ゆっくりと疲れを癒やすことができます。
「南紀・熊野古道フリーきっぷ」でうれしい特典も
熊野古道センターと、隣接する夢古道おわせの両施設では、「南紀・熊野古道フリーきっぷ」伊勢路コース「かえり」券を提示すると、以下の特典を受けられます。
熊野古道センターでの特典
交流棟内のセンター事務所で「かえり」券を提示すると、「熊野古道タオル」または「熊野古道手ぬぐい」のどちらか1点がプレゼントされます。
夢古道おわせでの特典
「夢古道の湯」の利用者は、「かえり」券の提示でオリジナルタオルがもらえます。
ランチにおすすめ♪ご当地ラーメン
「夢古道おわせ」では、名物「古道ラーメン」をランチにいただきました。
醤油と塩の2種類をはじめ、チャーシュー麺、濃厚背脂ラーメン、辛味噌ラーメン、つけ麺、油そばなど、さまざまなラーメンがそろっています。
私が選んだのは、一番人気の「古道ラーメン 醤油」。
豚肉を使った濃厚な醤油味のスープは、しっかりとしたコクがありながら、後味にはほんのり魚介の風味。醤油には伊勢醤油、出汁にはサバ節、煮干し、昆布を使用しているそうです。
世界遺産「熊野古道」松本峠(熊野市)を歩く
馬越峠に続いて訪れたのは、熊野市にある松本峠。熊野古道伊勢路の中でも、熊野灘と七里御浜を望む景色が魅力の峠道です。
1日目に馬越峠を歩いたら、2日目は松本峠へ。3日間有効の「南紀・熊野古道フリーきっぷ」伊勢路コースを活用して、日にちを分けながら2つの峠をめぐるのもおすすめです。
石畳を歩いて、松本峠を進む
特急「南紀」を熊野市駅で下車。普通列車に乗り換えて大泊駅へ向かいます。
大泊駅から歩いていく場合は、約10分で松本峠の登り口に到着します。三重交通バスを利用する場合は、「鬼ヶ城東口」バス停で下車し、徒歩約7分で登り口へ。
さっそく、熊野古道松本峠を進んでいきましょう。
木々に囲まれた静かな道に、趣のある石畳が続きます。
苔むした石を一歩ずつ踏みしめながら歩くと、長い年月を重ねてきた熊野古道の歴史が感じられます。
石畳の道を歩きながら、周囲の木々や足元の景色にも目を向けてみます。
ふと立ち止まって見上げると、頭上を覆う木々の間から、やわらかな光が差し込んでいました。
木漏れ日に包まれながら歩く時間も、熊野古道ならではの楽しみです。
峠の先に広がる、熊野灘の絶景
そして、松本峠でぜひ楽しみたいのが、熊野灘の眺望です。
木々の間から少しずつ海が見え始め、視界が開けた瞬間――。
目の前に広がるのは、海岸線に沿って伸びる七里御浜。山の中を歩いてきたからこそ、目の前に海が広がる瞬間は格別です。
| 名称 | 松本峠(熊野古道伊勢路) |
|---|---|
| 住所 | 三重県熊野市 |
| アクセス (大泊側登り口) |
【列車】JR紀勢本線「大泊駅」より徒歩約10分 【バス】三重交通バス「鬼ヶ城東口」下車、徒歩約7分 |
松本峠と一緒に楽しみたい!熊野市の立ち寄りスポット「鬼ヶ城」
松本峠の頂上からは、熊野市の街中へ抜ける峠道と、「鬼ヶ城城跡」を経由して鬼ヶ城へ向かう遊歩道に分かれています。
鬼ヶ城
熊野市を代表する景勝地「鬼ヶ城」。
熊野灘の荒波や風によって形づくられた、大小無数の海食洞や奇岩が連なるダイナミックな景観。
自然の力によって生まれた独特の地形を間近に見ることができます。
鬼ヶ城センター
東紀州の特産品をはじめ、旅のお土産が並ぶ「鬼ヶ城センター」。
中でも、熊野市の特産柑橘「新姫」を使った飲料や加工品は、私もお気に入り。
熊野市ならではの味わいを楽しめるので、ぜひチェックしてみてください♪
ご当地ソフトクリームでひと休み
「鬼ヶ城センター」に来たらぜひ味わってほしいのが、ここだけのご当地ソフト「新姫ソフトクリーム」。
さわやかな酸味が特徴の「新姫」は、すだちのように食事との相性も抜群です。
そんな熊野市生まれの新姫の果汁を混ぜ込んだソフトクリームは、まるでレアチーズケーキのような、さっぱりとした爽快感。熊野古道を歩いた後にぴったりです。
大内山ソフトクリームに熊野産の唐辛子で作った一味をかけた、インパクトのある「鬼のソフトクリーム」もありますよ。
| 名称 | 鬼ヶ城センター |
|---|---|
| 住所 | 三重県熊野市木本町1835−7 |
| アクセス | 【バス】三重交通バス「鬼ヶ城東口」下車、徒歩約5分 |
「南紀・熊野古道フリーきっぷ」で、東紀州・熊野古道をゆったり旅
1日目は馬越峠、2日目は松本峠へ。3日間有効の「南紀・熊野古道フリーきっぷ」を使えば、日にちを分けて峠を歩きながら、周辺の観光やグルメもゆっくり楽しめます。
特急「南紀」と列車、バスを組み合わせて、車を運転せずにめぐる東紀州の旅。熊野古道を歩いてみたい方は、ぜひ「南紀・熊野古道フリーきっぷ」を活用してみてください。
後編では、「南紀・熊野古道フリーきっぷ」中辺路コースを活用して、川の参詣道「三反帆遊覧体験」や、七里御浜の浜街道へ。
伊勢路コースの旅とはまた違った熊野古道の魅力を、ぜひあわせてご覧ください。
