昔と今を繋ぐ道「熊野古道」。歴史と自然あふれる世界遺産を歩き、沢山のパワーに触れてきました!:山本亜依のみえたび!熊野編

掲載日:2019.10.25

今回の「山本亜依のみえたび!」は、熊野市にある世界遺産「熊野古道」の松本峠コースをハイキング。「熊野」の人気スポットを巡りながら、郷土料理も堪能。歴史と自然を感じる癒しの旅をしてきました!

【山本亜依のみえたび!】とは?
三重県出身の女優 山本亜依さんが、三重県をぶらり旅!三重県の観光スポットを自ら取材、「見て・聞いて・感じた」事を、自らの文章で紹介してくれる、旅のレポート記事です。
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三重県熊野市。
三重県南端にある山と海に囲まれた自然豊かなこの地には、世界遺産である「熊野古道」があり、パワースポットとして愛されています。

今回は、そんな熊野古道の松本峠や様々な人気スポットを巡り、歴史と自然に満ち溢れた魅力たっぷりのまち「熊野」を存分に楽しみたいと思います♪

今回の出発点は、熊野市にある、世界遺産「鬼ヶ城」近くの「鬼ヶ城センター」です。
鬼ヶ城センターから、今回登山をする松本峠登り口までは、公園内道路と国道42号を経ておよそ600m。
真っ青な美しい海を見下ろしながら、登り口まで歩いて行きます!

今回私が歩くのは、熊野古道の松本峠。
熊野古道伊勢路には、初心者でも手軽に歩けるコースから上級者が挑む峠越えなど沢山のコースがあり、多彩な風景を楽しみながら歩くことが出来ます♪
松本峠は山登り初心者でも安心のハイキングコースで、見所が沢山ある人気コースの1つになっています。
これまで写真やテレビで沢山見ていた熊野古道を、初めて歩けると思うとワクワクな気持ちでいっぱい!早速行ってきます♪

登り始めると直ぐに、苔むした石畳の道が始まり、熊野古道らしい雰囲気を味わうことができます。
階段状の石畳は江戸時代に作られ、それは今も尚しっかりと残っており、側面は見事な石垣で固められています。
山の中はとても幻想的な雰囲気。道幅も広く歩きやすい道になっています。
雨が多い東紀州では土の道だと流されてしまう為、石を引き詰め、土砂が流れないように石畳道を沢山作ったそうです。
先人の知恵のお陰で、この美しい熊野古道を私たちも歩けているんだと思うと、なんだか不思議で感慨深いですね。

熊野古道とは、紀伊半島南部にある熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)と、伊勢や大阪、和歌山、高野及び吉野とを結ぶ、古い街道の総称です。
熊野古道の範囲は広く、伊勢路のほか、紀伊路、小辺路、中辺路、大辺路、と5つの道があります。
平成16年には「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録され癒しのスポットしても注目を集めており、日本国内だけでなく世界中から観光客が訪れています。

20分程歩くと、標高147mに立っているのは高さ1.8mあるお地蔵様。
茶屋跡とお地蔵様がある松本峠は竹林に覆われ、これまでとはまた違う別世界が広がっています。
峠にはベンチもあるので、ここにて水分補給。休憩にもピッタリの場所です♪

さてさて、このお地蔵様。よく見ると足元に小さな鉄砲キズがあります。
このキズは、お地蔵様が置かれたその日に、丁度この道を通った大間新左衛門が妖怪と勘違いし、驚いて鉄砲を撃ったときに付いたものだと言われているそうです。
行った際には是非、見つけてみてくださいね♪

松本峠から5分ほど歩くと「東屋」に着きます。
こここそが、熊野古道伊勢路の見所の一つともいえる大絶景です!!
雄大な七里御浜を独り占め!和歌山県新宮まで約25kmも続く七里御浜と、山並みが一望できます。とても贅沢な景色にテンションMAX♪
写真もこんな綺麗に撮れますよ!

景色を楽しんだ後は、石畳道を降りて熊野市木本の町中へ!いや〜楽しかった!
1時間少しの時間の中で、海・山・石畳・竹林など様々な景色を楽しむことができました!
空気も美味しく澄み渡っていて、とてもリフレッシュできたなぁ。

帰り際、また別のお地蔵様があるということで、探しながら降りたのですが、今回は見つけることができず…。次は絶対に見つけるぞ〜!!!

名称

松本峠・花の窟(熊野古道伊勢路)

電話番号

0597-89-6172

駐車場

・大泊側登り口付近に数台

公共交通機関でのアクセス

【スタート地点のJR大泊駅まで】
・JR・近鉄「津駅」から電車で約3時間
・JR紀勢本線「熊野市駅」から電車で約10分

車でのアクセス

・尾鷲熊野道路「熊野大泊IC」から車で南へすぐ

街に降りて次にやってきたのは七里御浜です。
先程の東屋から見ていた海岸が目の前に…長く海が広がる素晴らしい景色に大感動です!!!
七里御浜は、熊野市から紀宝町に至る約22km続く日本で1番長い砂礫海岸で、21世紀に残したい自然百選」や「日本の渚百選」にも選ばれているとても美しい海岸なんです。
かつては熊野古道の浜街道として利用されていた様です。

浜を歩いていると可愛いハートの石を発見♪
熊野川の上流から流れ着いた丸く色とりどりの「御浜小石」が浜にびっしり敷き詰められていて、歩いているだけでも楽しかったです♪
海の色は澄んだ綺麗な青色で、時間も忘れずっと見ていられる様な美しさと心地よさ。

毎年8月17日には、有名な熊野大花火大会が開催され、この浜に全国から沢山のお客様が訪れています。
私も行きたいなぁ〜!!!

波の音が小石たちに当たり合う音が、何とも言えない心地よさで凄く癒されます。
波の音を聞きながらお昼寝したいくらいの気持ち良さでした♪

名称

七里御浜海岸

住所
熊野市~紀宝町
電話番号

0597-89-0100

公共交通機関でのアクセス

JR熊野市駅から徒歩5分

車でのアクセス

熊野尾鷲道路 熊野大泊IC~国道42号
(熊野大泊ICから約5分)

こちらの海岸では、国の名勝天然記念物に指定され、世界遺産にも登録されている「獅子岩(ししいわ)」も見ることが出来ます。
周囲約210mという大岩からなり、高さ約25mのその堂々とした佇まいは圧巻!
名前の通り、海に向かって吠えている獅子のよう!ガオーッと今にも吠え出しそうな迫力です!
大自然が作り出した造形美。あっぱれです!!!

名称

獅子岩

住所
〒519-4324 熊野市井戸町
電話番号

0597-89-4111

料金

無料

休日

年中無休

駐車場

あり

公共交通機関でのアクセス

JR紀勢本線「熊野市駅」から徒歩で約10分

車でのアクセス

熊野尾鷲道路熊野大泊ICから国道42号七里御浜沿い、車で新宮方面へ約3分

沢山歩いた後は、スタートの地、鬼ヶ城センターの2階にある「リストランテ・マリーナ」さんにて昼食です♪
こちらの鬼ヶ城センターでは熊野周辺の豊富なお土産コーナーの他、カフェ、レストランも併設されています。
最初に頂いたのは、お店オススメの「熊野灘産真鯛とマグロの紅白丼」。
たっぷりネギと一緒に入っている熊野産の鯛とマグロが新鮮で甘くてとにかく美味しい!特製だれでしっかり漬け込んであり、ご飯とも相性抜群で箸が止まりません!
ペロリと食べられる絶品丼です♪
こちらのレストランにはテラス席もあり、綺麗な海を見ながらのランチは最高!の一言です♪

鬼ヶ城ラーメン&めはり寿司のセットも頂きました♪

上品な味のあっさり醤油ラーメンには、熊野地鶏が入っています♪
熊野地鶏は程よい歯応えがあり、旨味たっぷり!
スープも麺も本当に美味しくコクが詰まった大絶品のラーメンでした♪

そしてセットでついているのは、熊野地方の郷土料理のめはり寿司です。
めはり寿司は、高菜の浅漬けの葉で包んだおにぎりで、地元の人だけでなく観光客にも大人気の名物料理です。
「目を見張るほどおいしい」ことがその名の由来になったんだとか。
昔は農家の方のお弁当代わりだったそうです!
確かにその美味しさは目を見張るほど。塩漬け高菜と握り飯の優しい味わいにほっこり。
熊野に来たら毎回食べたくなること間違いなしの一品ですね♪

美味しいご飯をお腹いっぱいに食べた後は、デザートタイムです♪
今回頂くのは、「新姫(にいひめ)ソフトクリーム」♪
新姫とは、熊野市で発見された直径3cm前後の小さくて可愛い柑橘です。スダチのように酸味が強く爽やかな香りがあるのが特徴。
その新姫を混ぜ込んだソフトクリームは、一口食べるだけで爽やかな香りが口中に広がる爽快な味わいです。チーズケーキのような優しい甘さが口いっぱい広がって本当に美味しい!!!ペロリと食べてしまいました♪
こちらのソフトクリームは大人気で、沢山の方が食べていらっしゃったのがとても印象的でした。
鬼ヶ城センターに立ち寄った際には要チェックですね♪

名称

鬼ヶ城センター

住所
〒519-4323 熊野市木本町1835-7
電話番号

0597-89-1502

営業時間

9:00~17:00

休日

年中無休

車でのアクセス

熊野大泊IC出口R42新宮方面へすぐ

最後にやってきたのは、鬼ヶ城センターから歩いてすぐの所にある、鬼ヶ城です。
遊歩道を進んでいると、海の向こうに小さな島が見えました。案内板によると、魔見々島(まみるがしま)という島のようです。
「変わった名前の島だなぁ」と気になって案内板を読んでみました。
地元の方が「マブリカ」と呼ぶこの島にはこんな伝説が…。
平安時代、垣武天皇の命令により坂上田村麻呂が鬼ヶ城の鬼討伐に向かった時、河童が現れ、それに気を取られた鬼が油断して岩戸を開いたその一瞬に、坂上田村麻呂が神通の矢を放ち鬼を仕留めたんだとか。
鬼ヶ城の伝説に触れると、鬼ヶ城探検により一層身が入ります。
更に歩いていきましょう♪

遊歩道を5分ほど歩いて、鬼ヶ城の「千畳敷(せんじょうじき)」に到着です。
広い岩の平地に、高さ15mの巨大な岩の天蓋。
あまりの迫力に、私も見た瞬間「おぉ…!」と驚きと感動で声を上げてしまいました。
長年の波による浸食と、大地震による変動が生み出した驚愕の風景はとにかく圧巻です!美しかったなぁ…。

遊歩道は更に続きますが、台風の影響で遊歩道の手すりが破損したことから、現在は一部通行止めの状態でした。また、絶対に来るぞ!

名称

鬼ヶ城(熊野市)

住所
〒519-4323 熊野市木本町
電話番号

0597-89-4111

駐車場

有 72台
大型バス 10台
大型バス 18台(鬼ヶ城センター第2駐車場)

公共交通機関でのアクセス

・JR紀勢本線「熊野市駅」から「大又大久保行き」バス約5分「鬼ヶ城東口」下車すぐ

車でのアクセス

・熊野尾鷲道路「熊野大泊IC」から南へ車で約1分

たっぷり遊んで満喫した後は、すぐ近くにある「鬼ヶ城東口」のバス停へ。
今回私が行き帰りで使用したのは三重交通バスの「熊野古道ラインフリーきっぷ」です。

こちらは熊野古道の世界遺産登録15周年を記念して作られた物で、松阪駅前を起点に、南紀地区の指定路線のバスに2日間自由に乗車できるとてもお得な切符なんです♪

この切符があれば、様々な観光地がある熊野や南紀エリアを、より存分にたっぷりと楽しめること間違いなしですよ〜!

これで今回の旅は終了です。
今回のみえたびも、沢山の美しい景色を見て美味しいものを食べて、とても幸せな旅になりました♪古くから人々を見守ってきた大自然が作り出す、様々な秘境や名勝たち。

皆さんも是非熊野に遊びに来て、そのパワーに触れ、たっぷり癒されてみてはいかがでしょうか?


<山本亜依プロフィール>
1995年生まれ、三重県出身。2016年に配信ドラマ「東京女子図鑑」で女優デビュー。その後、TVドラマ「探偵物語」(18)などに出演し、「トドメの接吻」(18)では初の連続ドラマレギュラー出演を果たした。映画「きみの鳥はうたえる」(18)でスクリーンデビューし、映画「ドンテンタウン」(19)等公開待機作も多数ある。女優業のほか、三重テレビやテレビ愛知の番組でリポーターとして出演するなど、幅広く活動している。

 

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