三重県内・漁獲量No.1のまち 『南伊勢町』浦々の夏祭りと海の幸をご紹介‼
掲載日:2025.06.13
三重県南伊勢町は、熊野灘に面した美しい海と、緑豊かな山々に囲まれた自然あふれる町。大小さまざまな漁港が点在し、町を形づくる「浦々」には古くから伝わるお祭りがあります。実は南伊勢町、お祭りや神事の数が多い地域。今回ご紹介するお祭りは、インターネットで検索しても情報量が少なめなので、この記事を参考にしていただけると嬉しいです。目次から各記事を見られるようにもなっています。
今回ご紹介する『 南伊勢町のお祭り3選 』

南伊勢町内の各地・浦々では『浅間祭(せんげんさい)』『祇園祭』『天王祭』と付くお祭りがいくつかあります。
例えば浅間祭は現在も行われている数で10箇所以上。浅間祭に限らず、時代の流れや後継者不足で休止・廃絶してしまったものもありますし、決して多いと言えない人口の中、地域の人々が力を合わせてお祭りを盛り上げていますよ。
今回は開催順に『方座浦浅間祭』『古和浦祇園祭』『神前浦天王祭』をご紹介します。
お祭りと一緒に海の幸も

また、南伊勢町は三重県内の漁獲量がダントツのNo.1‼お祭りと一緒に、地元の海産物を使用したグルメスポットもご紹介します。
各お祭り会場から近い場所なので、こちらもぜひ堪能してくださいね♪
▼目次

2日間開催の奇祭 『 方座浦浅間祭 』
南伊勢町内にはいくつか「浅間祭・せんげんさん」と呼ばれるお祭りが古くから伝わりますが、「方座浦浅間祭」(ほうざうらせんげんさい)は江戸時代中期に始まった「疫病退散」「豊漁祈願」を祈っての祭りと言われています。
また富士山信仰に基づき、富士山を神格化したとも言い伝えられており、地元の山々を富士山に見立てて祭りのクライマックスに登山と奉納を行います。
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2025年の開催日
2025年の開催は6月21日(土)・22日(日)
初日は宵宮(よみや)または前夜祭、2日目は本祭(ほんび)と呼ばれ、祭りの最中に祭衆たちが奇抜な化粧をして歌い踊り、花火が打ち上ります。
本祭のクライマックスは上半身裸に地下足袋姿で過酷な登山を行う、南伊勢町指定の無形民俗文化財です(平成5年登録)

観客に大人気!『おかしな化粧姿 』
方座浦浅間祭と言えば、初日の夕刻あたりから祭衆たちが顔に面白おかしい化粧を施し始めます。
これには理由があり、祭りの竹飾り「大幣・小幣(おおへい・こへい)」に姉妹神が宿っていて、姉のイワナガヒメが醜いと言われていました。
祭衆たちがおかしな化粧をして、姉を慰めているそうですよ!
2025年はどんな面白おかしな化粧姿が見れるのか・・・とっても楽しみです♪
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見どころと 『お願い』
初日のラストは祭衆が港前の市場で盛大に歌って踊り、和田煙火店様(三重県熊野市)の花火が打ち上ります。
2日目の本祭では町練りの後、地元・方座浦の浅間山に高さ10m近くもある竹飾り(大幣・小幣)を絶対に倒さないように運びながら過酷な登山をします。
【 お願いと注意事項 】
・浅間山の登山道は大変幅が狭く、岩肌むき出しで日陰のない急勾配です(舗装されていません)。
・祭りの日は浅間山・山頂付近の鳥居から先は「女人禁制」。
・大きな竹飾りを運びながら祭衆は登山をします。
大変危険ですし、祭衆の登山の妨げになりますので、祭衆の近くでの登山は絶対にお控えください。
ご協力お願いいたします。
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主なスケジュール
■ 6月21日(土) 宵宮(前夜祭)
午前中:さくら保育園児による、みこし担ぎと踊りの披露。
14時頃:市場前の海にて六十四垢離(ろくじゅうしごおり)が行われた後、16:30に幣廻し(へいまわし)と呼ばれる町練り。
その後、祭り参加者が宴会の後 顔に化粧を施し防災センターから道中踊りの出発。魚市場で歌い踊った後、打ち上げ花火。
■ 6月22日(日) 本祭
7時頃:祭衆が集合し、顔に化粧を施し準備を終えると籤で選ばれた町内の家(2軒)を回り、幣を立てて家の中で歌い踊る。
市場で歌い踊った後に浅間山に登り、浅間神社へ幣を奉納。

方座浦浅間祭・詳細情報
【 お祭り存続のための募金箱を設置させていただきます 】
南伊勢町の方座浦地区は人口300人足らず。歴史ある無形民俗文化財の浅間祭を途絶えさせてはいけない!と存続の為に保存会様が頑張っております。
お祭りの二日間、会場に募金箱を設置しますので、皆様からご支援いただけましたら幸いです。
【 お祭りグッズも販売!】
方座浦浅間祭オリジナルタオルや手ぬぐい(各1,000円)など売店に並びますので、グッズでお祭りを応援しちゃいましょう!
方座浦浅間祭
三重県度会郡南伊勢町方座浦地区 全域
バスの本数が少ないので注意
市場の両サイド、バス停付近
当日は駐車係がいますので案内に従ってください

大迫力の船形神輿 『古和浦祇園祭』
南伊勢町古和浦地区で明治初期(約150年前)から続く伝統的な夏祭り。
明治初期、コレラなどの流行病は収束していったが、疫病退散や豊漁と海上安全などの願いを込めて、当時あった津島神社の神主が祭りを提案して始まったと伝えられています。

2025年の開催日
2025年の開催日は7月12日(土)
会場ではお昼頃から出店が並びます。また、お祭りで担ぐ舟型の神輿「御舟(みふね)」は、当日のお昼過ぎからたくさんの笹竹や提灯を用い、地域の男性たちによって飾りつけが行われますよ☆
時間は目安になりますが、16:30頃から御舟回航が始まり、寄席太鼓、御舟出発 、御神体を乗せた船の出航、21:00頃から打ち上げ花火・・・という流れです。
上記以外にもメイン会場にはステージが設置されていて、カラオケ大会や有志によるショーも♪(これがまた凄く盛り上がるんです!!)

みどころ
船形神輿『御舟』に囃子方が7,8人乗り込み、白装束姿の担ぎ手が練り歩きます。御舟の重さはなんと約2トン!
メイン会場で力強く御舟を振り回す勇壮な姿は必見ですよ☆
また、御舟に乗せている御神体を弁天島へ向かう船に移して渡御を行い、反時計回りに島を3周します。

花火と船の光跡
クライマックスは古和浦の夜空に南端煙火店様の花火が打ち上がります。
花火と弁天島へ行き来する船の光跡がとてもキレイで、海が穏やかだと水面に花火がリフレクションしますよ!
花火は古和浦漁港の目の前で打ち上りますので、一眼レフなどのカメラで撮影される方は広角~超広角レンズの使用がオススメ。
漁港なので停泊している船も入れて写真や動画撮影すると映えますよ♪

担ぎ手さん募集中!
古和浦祇園祭は今まで地区が運営・管理をされていましたが、祭りの存続に力を入れようと、一昨年9月に20~50代のメンバーが中心になり、保存会を立ち上げました。
そして保存会では祭り当日、一緒に御舟を担いでくださる方(男性)を募集中です!!
白装束姿で担ぐため、白無地の膝丈半ズボン、白無地の地下足袋をご自身で準備していただきますが、上に着るTシャツは保存会にてご用意いたします。
伝統のある御舟を、この夏担いでみませんか!?ご興味のある方、参加希望の方は「古和浦祇園祭 Instaguram」へメッセージをお願いいたします。
※お申し込みは先着順になります

古和浦祇園祭・詳細情報
今年は古和浦祇園祭の応援グッズとして、数量限定でタオル(2枚セット 2,000円)を販売♪
会場だけでなく、事前に今回ご紹介させていただく「三五七や様」「ヤマ加商店様」でも購入可能です。 デザインもかっこよくて人気ですよ!
古和浦祇園祭
荒天の場合は翌日13日(日)に延期
三重県度会郡南伊勢町古和浦地区
※本数が少ないため、お車でのアクセスをオススメします
【 臨時駐車場 】
・上村組様の資材置き場(三五七や様のとなり)
・島津体育館 横(旧 島津小学校跡地)
・えさき大橋沿いの空き地
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全速力で曳く御舟神輿 『神前浦天王祭』
方座浦のおとなりに位置する、南伊勢町神前浦。神前浦と書いて「かみさきうら」と読みます。
神前浦天王祭は江戸時代中期頃からある祭りで、疫病をはらう神様の牛頭天王を祀ったのが起源と伝えられている。
地域の人々の無病息災や海上安全、豊漁を祈願します。
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みどころ
2025年の開催は7月19日(日)
御舟(みふね)と呼ばれる船形神輿にたくさんの赤い提灯や笹を飾りつけ、紅白の長い綱を用いて大人数(50人ほど)で曳きます。
先程ご紹介した古和浦祇園祭も船形神輿ですが、古和浦は「担ぐ」のに対し神前浦は曳くという違いがありますよ!
御舟は唄い手の「道中伊勢音頭」に合わせて全速力で曳き、一定の距離を進むとピタッと止めて小休止。これを何度も繰り返しながら市場や海沿いを曳きます。
区長様いわく、御舟を方向転換(回転)させるのが難易度高いそうですよ!

水を撒く理由
御舟を曳いていると何度か祭衆が水を撒きます。
初めてこのお祭りを見た時は「暑さ対策で水を撒いているのかな?」と思っていた私。
今回取材で初めて知ったのですが、御舟の底が鉄板で「御舟と地面を滑りやすくするため」が一番の理由だそうです!

フィナーレは花火!
御舟が漁港の岸壁前に到着すると、ご神体などを船に乗せて湾内を左回りに3周し、湾内を回っている間に紙で出来た提灯を海へ流します。
そしてフィナーレは和田煙火店様による打ち上げ花火!漁港の目の前で打ち上るので迫力満点ですよ☆
また会場には出店もありますので、飲んで食べて花火を見るも良し♪
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主なスケジュール
午前中:子供御舟の披露
午後:市場の特設ステージにてバンドや豊漁太鼓などの演奏
18:30頃:御舟出発(市場、「神前」バス停前などを行き来します)
市場に御舟が帰ってきた後、ご神体、太鼓、囃子方が船に乗船し湾内を左周りに3周しフィナーレの花火が打ち上ります
※天候などにより予定が変更される場合もございます

神前浦天王祭・詳細情報
予備日:7月20日(日)、更に悪天候の場合は7月21日(月)
三重県度会郡南伊勢町神前浦 全域
バスの本数が少ないので注意
南伊勢町役場 南島町舎

店主一代で築き上げた人気店 『 ありすえ 』
1982年創業のラーメン・お食事処で、地元の新鮮な海の幸を活かした料理が評判のお店!
店主一代、ラーメン屋からはじめ、地元の方のリクエストにお答えするうちにカレー、チャーハン、唐揚げ等、ボリューム満点のメニューが増えたそう。
南伊勢町は漁業が盛んな町であり、黒まぐろの養殖も行われていることから、ここでしか味わうことのできない『 伊勢まぐろ 』料理も提供していますよ。

店主のオススメメニュー
美味しいメニューがたくさんありますが、特にオススメなのは南伊勢の海の幸が味わえる『 あっぱれ!鯛ラーメン 』と『 神前丼 』です。
■『 あっぱれ!鯛ラーメン 』 1,200円(税込)
南伊勢町の三大海の幸「鯛・あっぱ貝・あおさ」入り。なんとラーメンだけでなく、鯛茶漬けも付いてこのお値段☆15年ほど前にメニュー開発し、今もそのままの味を貫いている大人気メニュー!
■『 神前丼 』 1,870円(税込)
南伊勢ブランド・伊勢まぐろの漬け、ネギトロ、ユッケを使った一品☆3種の伊勢まぐろの味を贅沢に楽しめますよ♪
※2025年6月現在の情報で、お値段や内容は変更する場合がございます
ありすえ・詳細情報
三重県度会郡南伊勢町村山973
神前浦天王祭当日は臨時休業しますが、会場の出店にて生ビールや焼きそばなどを販売してお祭りを応援します♪
店舗前 3台分、道路を挟んだ向かい側にもあり

三重の珍味道 『 三五七や 』
三重県南伊勢町古和浦にある『 三五七や(さごひちや) 』は干物・鮮魚専門店で、地元・熊野灘で水揚げされた新鮮な魚を使用!
一般的な魚だけでなく、マンボウやサメなど珍しい魚の干物も取り扱っており、干物の種類がとっても豊富です。
漁港のすぐそばの鮮魚加工所で潮風にあてて干すなど、伝統的な製法で丁寧に干物を作ったり、漬け込む秘伝のタレにもこだわっていますよ☆

三五七や・店主のオススメ商品
写真の干物は一部で、お値段は量などで変わります。
店主のオススメはマンボウの干物、サメの燻製!実際に私も食べてみましたが・・・想像を超える美味しさでした☆
醤油をブレンドして作る秘伝のタレに漬けるなど、三段仕込みをし、時間をかけて作られています。
過去には「まんぼうの干物(塩・醤油)」「さめたれ(塩・醤油)」「刻みうつぼ」を伊勢神宮外宮に奉納された事もあります。
三五七や・店舗情報
三重県南伊勢町古和浦234-4
古和浦祇園祭当日はお昼頃まで営業!
■ 三五七やの一部の商品は、伊勢市内の「ぎゅーとら」おおきんなコーナー、伊勢市内・多気町内の「マックスバリュ」の地産地消コーナーでも、お買い求めできます。

手間暇かけた美味しさ 『 ヤマ加商店 』
南伊勢町古和浦にある、創業明治28年の『 ヤマ加商店 』
港の近くに構える創業以来の燻し小屋で、代々受け継いだ手火山式製法(てびやましきせいほう)を用いて鰹節を製造しています。
燻しには地元産のウバメガシ原木を使用し、一本一本時間をかけ、丹精込めた手作りの味。
現在、手火山式製法で鰹節を製造しているところは全国的にも少なく、一度に大量生産が出来ないため、とても貴重です。

ヤマ加商店・店主のオススメ商品
■ 黒潮の恵み!『 鰹生節 』 1本:1,000円(税別)
鰹生節を包丁でスライスするのも良いですが、手でほぐすのが店主のオススメ♪お好みの調味料をかけてお召し上がりください。
様々なお料理に混ぜたり、お酒のおつまみ、おやつにも!
■ 噛むたび味、広がる『 鰹くんせい 』 1袋:600円(税別)
鰹を薄くスライスし、サラミ風味の燻製に仕上げています。
おつまみにピッタリですが、お酒が飲めない私はおやつ代わりに食べてますよ☆(美味しすぎてすぐ食べきってしまいます!笑)
※お値段は2025年6月現在の情報です。
ヤマ加商店・店舗情報
三重県度会郡南伊勢町古和浦147-19
古和浦祇園祭当日も営業します
夜店で鰹くんせいを販売予定!
更に御舟も担いでお祭りを盛り上げます♪
■ ヤマ加商店の一部の商品は、南伊勢町近郊の『ぎゅーとら』『マックスバリュ』『グッデイ』の地産地消コーナーでも購入できます
※2025年6月現在の情報です

いかがでしたか?
今回は南伊勢町のお祭り3選と、漁師町ならではのグルメをご紹介させていただきました。
人口は比較的少ない地域ですが、個性的で伝統あるお祭りを地域の方々が一生懸命盛り上げてくださっていますので、この夏に見て、知ってくださると嬉しいです!
もちろん、今年の夏も私は各お祭り会場に足を運び、南伊勢グルメを堪能しますよ♪