日本遺産「祈る皇女斎王のみやこ 斎宮」を味わう明和町での日帰り女子旅!

掲載日:2017.07.10

天皇の代わりに伊勢神宮に奉仕した皇女「斎王」。そんな斎王の歴史や文化を体感するため、明和町を旅して来ました!優雅な平安の世界を味わえる女子旅のレポートをぜひご覧ください!

「さいくう」とも「いつきのみや」とも呼ばれている斎宮。天皇に代わり、伊勢神宮に仕えた斎王の宮殿と役所をそなえていたといわれています。昭和40年代にたくさんの珍しい土器が出土して以降、大がかりな発掘調査が行われました。
平成27年には文化庁が創設した「日本遺産」に認定された、137.1ヘクタールもの広大な土地。町中に、歴史を学べる施設が点在しています。

旅のはじまりは「斎宮駅」から。特急で一気にお伊勢参りに向かうのもいいけれど、ときには少し趣向を変えて、斎宮駅からゆるりとめぐる、歴史探訪の1日旅をしてみませんか?
木目が美しい、雰囲気のいい駅舎までは、伊勢市駅から約20分。

最初に訪れたいのは「いつきのみや歴史体験館」。平安時代の貴族の屋敷である寝殿造をイメージした建物は、釘を使わない工法で作られています。
ここで当時の貴族の暮らしを体験してみましょう!

天井の高いのびやかな空間には、木の香りが広がります。知識を増やせるだけでなく、色鮮やかで見応えのある展示物がたくさん。美しい資料と内装に、博物館好きも、美術館好きも、そして建築物好きも満足できそう。とにかく美しい。

リーズナブルな料金で、十二単の着付けを体験することができます。
扇子を持ってポーズを決めれば、気分はすっかりお姫様!見ようによってはお雛様?手持ちのスマホ・デジカメでの撮影もお忘れなく。
はいチーズ!背筋がすっと伸びて、なんだか身のこなしまで変わります

館内を奥に進むと、機織りを体験できる部屋があります。上手に織れるかな?
集中すると、ついつい無言になりますよね。あたりまえのように来ている洋服も、布製の鞄も、よく考えるとみんな糸や繊維からできています。昔の人は手で作っていたんですよね、時間をかけて丁寧に。

草木染めの麻糸で、カラフルで可愛いコースターが出来上がります!
ランチョンマットを作ることもできます。それにしても、色鮮やか!今も昔も、綺麗なものや可愛いものを愛でる女心は変わらないのでしょうね。

名称

いつきのみや歴史体験館

住所
多気郡明和町斎宮3046-25
電話番号

0596-52-3890

料金

入館無料、講座体験および装束の試着は有料。

営業時間

9:30~17:00(入館は16:30まで)

休日

月曜日(休日の場合は翌日)

公共交通機関でのアクセス

近鉄斎宮駅下車すぐ

車でのアクセス

伊勢自動車道玉城ICより車20分

体験館の外に出ると、明るい黄緑色の田んぼの向こうに、小さな建物が立ち並びます。
この小さな町、当時の町並みを再現した10分の1縮尺のミニチュアなんです。人が通れるようになっている小道の10倍の幅が本当の大きさということですね。
巨人の気分で平安時代の斎宮を眺めてみよう!色付きの建物は実際に発掘されたもの、白い建物は想像から再現されたものだそう。あぜ道の横の水辺には、おたまじゃくしや水棲の生き物もいて、自然の豊かさも感じられます。

ちょっと歩き疲れたら、「いつき茶屋」で休憩しましょう。
無料の休憩所として使えるほか、お土産を買えるコーナーもあります。食事スペースでは、特産品を使った美味しい食事も楽しめます。
せっかくこの町を訪れたなら、ここで味わえるランチを楽しみましょう!

オススメは、なんといってもこの「斎王の宝箱」(要予約)。
地域の食材をふんだんに使って当時の献立を再現したもので、舌に美味しく、目に嬉しいご馳走ですよ!コースのような内容のメニューです。
肉、野菜、ご飯もの、そして果物などのデザートで、お腹いっぱいになります。ヘルシーな食材が多いので、安心していっぱい食べられますよ。

「いただきまーす!」

古代米のおこわはもっちもちの食感!このお米は、いつき茶屋の前に広がる田んぼで栽培されています。
当時の人々にとっては、この美味しい古代米のほうが高価なものだったのか、白米こそが貴重なものとされていたのか、詳細は不明とのこと。
なにはともあれ、このもちもち感、ハマりますよ〜。

はんぺん…じゃないんです。これは「サメのたれ」といって、サメの干物なのです。
人々の怖れる海の猛者がこんなに美味しい一品になるなんて驚きです。見た目よりもやわらかく、味はわりとシンプルで、塩味が効いています。ご飯も進むし、おつまみにもぴったり。
ちなみにこのサメのたれ、スーパーなどでも普通に売られているということです。この地方の名物なんですね。珍しい!
名称

国史跡斎宮跡休憩所 いつき茶屋

住所
〒515-0321 多気郡明和町斎宮2969-4
電話番号

0596-52-7805

営業時間

9:30~17:00(飲食コーナーは9:30~16:30)

休日

月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29~1/3)

駐車場

あり(30台・無料)

発掘されたままの位置に復元して建てられた正殿・西脇殿・東脇殿の3つからなる「さいくう平安の杜」。
その奥には、緑がこんもりと繁った「竹神社」があります。
天皇が代わるごと、およそ660年もの間、都から派遣されて伊勢神宮に仕えた60人あまりの斎王。彼女たちが暮らしていた場所が、竹神社の境内にあったと考えられているのです。

さいくうの杜では、タブレットを使ったVR(バーチャルリアリティ)体験ができます。
歴史を学ぶのにも、文明の利器タッチパネルは便利!
5言語に対応。海外から観光を楽しみに来た人はもちろん、外国語を学んでいる人にも嬉しい機能かも。勉強中の言語で聴くのに挑戦してみてはいかが?

3つの建物にかざしてみると、こんなふうに見えます。当時の暮らしが偲ばれますね。
豊作を願う祈年祭のシーン。すごい数の神主さんたちが祭事に参加している様子が見えますね!
名称

さいくう平安の杜

住所
〒515-0321 多気郡明和町斎宮2800
電話番号

0596-52-3890

料金

見学無料

営業時間

3月~10月は、9時30分~17時00分(入園は16時30分まで)
11月~2月は、9時30分~16時00分(入園は15時30分まで)

休日

月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始

駐車場

有り

公共交通機関でのアクセス

近鉄斎宮駅史跡公園口より徒歩約5分

車でのアクセス

伊勢自動車 玉城ICより車で約20分

竹神社は、木漏れ日がやさしく降り注ぎ、美しく静かなたたずまい。
森を吹き抜ける風は涼しくて気持ちがいいですね。都から派遣されてきた姫君たちは、どんな思いでこの土地に暮らしたのでしょうか。

二礼、二拍手、一礼。どんなお願いごとをしようかな。
名称

竹神社

住所
多気郡明和町斎宮2757-2
電話番号

0596-52-7138

営業時間

毎週土曜日・日曜日
10:00~15:00

駐車場

あり(10台程度)

公共交通機関でのアクセス

近鉄斎宮駅下車徒歩8分

車でのアクセス

伊勢自動車道・玉城ICより車20分

旅の締めくくりに訪れたいのが、ここ「いつきのみや地域交流センター」。
とても新しい建物で、さいくう平安の杜と竹神社、そして明和町一帯を見渡すことのできる展望デッキに加え、お土産コーナーや、お祭りの山車を飾った休憩スペースもあります。

空調が効いていて、暑い日でも快適。
さらに、「大吟醸アイス」でよく動いた身体をクールダウンしてみてはいかがでしょう。
最近は、変わり種のアイスも珍しくなくなってきましたね。でもこのデザートは「よくある感じでしょ?」と思ったら大間違い!ちゃんとお酒の味がするんです。
アルコール含有、ということで明和町を訪れるときには、冒頭の風情溢れる斎宮駅まで電車で来ることをオススメします。
名称

いつきのみや地域交流センター

住所
〒515-0321 多気郡明和町斎宮2811
電話番号

0596-63-5315

料金

入館無料

営業時間

9:30~17:00(入館は16:30まで)

休日

毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)
年末年始(12月29日~翌1月3日)

駐車場

あり

穏やかで空の高い、空気の澄んだ心地よい町。
お姫様になりきって十二単を着こなしたら、お土産にもぴったりのコースターを機織り体験で作り、名産品を使った食べ応えのあるランチを堪能、お散歩しながらVR体験、竹神社へお参り、たくさん歩いた後は、とっておきの大人向けデザートで締めくくりましょう。
徒歩圏内にぎゅっと詰まった見どころを巡れば、一日が過ぎるのもあっという間です。暮らす人も、訪れる人も、どちらの心も惹きつける歴史ロマン溢れる土地、明和町はそんな魅惑の町でした。

明和町をもっと知りたい方はこちら!
「初めてのお伊勢まいり 伊勢志摩を歩く」明和町特集

関連スポット

国史跡斎宮跡

国史跡斎宮跡

中南勢

多気郡明和町

かつて斎王が住んだ宮跡といわれ、近くから関係遺跡が発掘されました。 斎宮は「いつきのみや」とも呼ばれ、斎王の宮殿と斎宮寮(さいくうりょう)という役所のあったところです。 斎王は、天皇に代わって伊勢神宮に仕えるため、天皇の代替りごとに皇族女性の中から選ばれて、都から伊勢に派遣されていました。平成23年にはひらがなで記された日本最古の「いろは歌」墨書土器が出土しました。

竹神社

竹神社

中南勢

多気郡明和町

明治44年(1911)、旧斎宮村にあった25社の神を合祀して誕生した神社。元は竹川の古里にありましたが、明治時代に野々宮が祀られていた現在の場所に移動。周辺からは平安時代の大規模な塀列や掘立柱建物の跡が発掘されたため、斎王の御殿があった場所ではないかといわれています。また、観世流の謡曲「絵馬」にちなんだ絵馬殿にあった絵馬が、現在この神社に保管されているのも特筆すべき点です。 土曜日、日曜日に限り社務所が開いています。竹神社の御朱印や小さなお守りなどの頒布も土曜日、日曜日に限り行っておりますので、伊勢参りの際などにお立ち寄りいただければと思います。 満月参りの日は、10時〜19時で社務所を開所し、 満月限定御朱印を頒布いたします。 御朱印   :300円 お守り(小):200円 お守り(大):500円 絵馬    :400円 干支鈴   :500円 神札    :500円 神宮大麻  :1,000円

いつきのみや歴史体験館①

いつきのみや歴史体験館

中南勢

多気郡明和町

斎宮が最も栄えた平安時代の体験ができます。建物は平安時代の貴族の屋敷「寝殿造」をモデルにしており、当時の建築技術を活かし、部材の組み立てに釘を使用していません。 館内では、当時の年中行事や技術・文化を学べる体験講座のほか、十二単・直衣の試着体験も実施しています。また、盤双六や貝覆いなど、古代の遊びも体験することができます。

さいくう平安の杜

中南勢

多気郡明和町

史跡斎宮跡に三棟の平安時代の建物「斎宮寮庁」が復元されました。古代建築の魅力を伝え、いにしえの斎宮の姿を再現しています。 斎宮の役所「斎宮寮(さいくうりょう)」の長官のもと、儀式や饗宴に使用されたと考えられる三棟の建物があります。その背景には、平安時代の古代建築の世界が広がります。

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