世界遺産“熊野川”を悠々と船旅。川風を受けて進む「三反帆」を体感!~熊野川体感塾~
掲載日:2021.03.24
熊野古道沿いに発展してきた山や川で暮らす人々の生活文化が今でも大切に残されている「熊野川流域」。「川の参詣道」として世界遺産にも登録されている熊野川は、長い歴史のある川です。今回はこの川沿いで、川舟を作り続け、その魅力を伝え続けている「熊野川体感塾」へ行ってきました!まるで平安・鎌倉時代の上皇たちの気分になって悠々と流れる熊野川を遊覧。歴史を感じながらの船旅は一味違いました。
雄大な熊野川沿いにある「熊野川体感塾」へやってきました!
そんな疑問と期待を胸に体験へ。
まず体験のはじめには、当時の貴重な写真を見せてもらいながら、熊野川の歴史を教えてもらえました。
昭和30年代半ばまでは一家に一隻は船を持ち、川の道路で生活物資の運送や人の移動、漁をしたりと、人々の交通のメインとなり、川舟がたくさん行き来していた時代もあったそうです。
このような歴史ゆえに、熊野川は世界で初めて「川の参詣道」として世界遺産に登録されることとなったのです。
熊野川体感塾のすぐ目の前にある熊野川までは、歩いて1分ほどです。
最大8人まで乗ることができる大きさです。
“暴れ川”とも言われる熊野川の激しい流れに対応するため、川舟全体の形状、断面、船底のくぼみ、板や釘などの材料に至るまで、全ての面で細かい工夫がされており、どんな川の条件にも対応できる精緻な構造になっています。
川船に使用する木材は、スギ、ヒノキ、ケヤキ、カシの4種類。すべて熊野川流域の森林から調達していて、それぞれの木の特性に合わせ使い分けられているそう。昔の人たちの知恵を受け継いでつくられている舟なのです。
「三反帆」は、熊野川独特の風をうまく利用し、その名のとおり3枚の帆を帆柱に掲げ風を捉えて進むことができる舟なのです。
いい風が吹いてきたところで、いよいよ3枚の帆布が支柱に揚げられました!
風を受けて、パンっ!と張る帆。
ぐんぐん風に押されて滑るように船が進んでいきます。
そうして、目の前に見えてきたこの島は、世界遺産「御船島(みふねじま)」。
行きとは違い、なぜか川原ギリギリを進む、谷上さん。
「この風だと、川原ギリギリを進む方が早く進むんですよ」と、風をよみながら絶妙に舵をとられていたことが分かりました。
「特に夏は子どもたちがたくさん遊びにきます。私の小さかったころの川での遊び方の話をすると、興味津々で聞いてくれますよ」と、谷上さん。
今の時代では忘れがちな、自然と触れ合い生きることの素晴らしさ教えてくれました。
整頓された道具の数々、谷上さんの舟職人としての気質が伝わってきます。
この札は、船と同じ材料で作られていて、旅の良い記念になりますね!
熊野川体感ツアーを通して強く記憶に残るのは、なんといっても世界遺産「熊野川」の雄大な景色。
大自然の中で、悠久の歴史に思いを馳せる時間をみなさまもぜひ体感してください!
コロナ対策については、手指消毒の徹底。
密を避けるため一隻に乗船できる人数を減らしながら運行しています。
熊野川体感塾
0735-21-0314
体感料:
9,000円(1名)
4,500円/人(2名)
3,500円/人(3名以上)
貸切舟:35,000円
9:00~17:00
通年(予約制)
JR新宮駅から車で約15分
紀勢自動車道・熊野大泊ICから国道42号を南へ約1時間
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