海の博物館は「海と人間」をテーマにした日本でめずらしい博物館!昔の海の暮らしを体験しよう!

掲載日:2021.02.17

海は私たちが生きていく上で切っても切り離せない存在です。豊かな海に恵まれ、古くから海と生きる人々の技術と知恵が受け継がれてきた鳥羽市には、海で生きる人々の暮らしや知恵を伝えていきたいという想いから創られた「海の博物館」があります。海女漁をはじめいろいろな漁を再現したジオラマや、木造船など海にかかわる約6万点もの民俗資料が所蔵されていて、見どころ盛りだくさんですよ。

海や漁村が広がる景色を眺めながらパールロードをドライブ!
海の博物館のある鳥羽市浦村町へやってきました! 

道中の景色も最高で、さっそく気持ちが高まってきました。

海の博物館に到着! 真っ赤な扉がアクセントの建物をはじめ、敷地内は洗練された空間。
それもそのはず!海の博物館は、建築物としても高く評価されていて、日本建築学会賞や公共建築百選にも選ばれています。

さっそく館内へ入ってみると、広くて高さのあるドーム状の空間を生かして、人と海の関わりを映像や模型などを使ってダイナミックに展示されていました。

海の博物館は、海女漁、釣り漁、網漁などに使われた漁具、木造船など海にかかわる約6万点もの民俗資料を所蔵しています。

その内なんと6879点は、国指定重要有形民俗文化財で、海に生きる人々が使ったさまざまな漁具や道具、木造漁船、船大工道具などの貴重な民俗資料が揃っています。

では、順番に見て回ってみましょう!
まずは入り口から続く展示A棟のフロアへ。

この乗りものは、「白鯨号」。
昭和35年に青函トンネルを作る際の海底観測調査で使われていた潜水艇で、一人の漁民が作ったというから驚き!実際に中に入ることもでき、当時の人たちの仕事を感じることができました!

1階には他にも、「伊勢の神様は海の幸が大好き」と題した、実際に伊勢神宮へのお供え物として奉納されている鳥羽・志摩の海産物を再現した展示もあります。

2階へ上がると、海の汚染についての展示がありました。
1950年以降、高度経済成長の下で発生した「公害」。陸上でも海でも、多くの人間と無数の生きものの命が奪われました。
ここでは、当時の人の声や写真などがリアルに展示されています。

続いて信仰のコーナーでは、巨大な大吉龍(だいきちりゅう)が登場!近づいてよくみてみると・・・牡蠣の貝殻でできていました!貝殻を絵馬にして、たくさんのお願い事が奉納されています。

次は、展示B棟の「漁」に関する展示へ。
鳥羽志摩から熊野灘地区の漁をまるで本物のようなジオラマで再現しています。

こちらはイセエビ漁。刺網を引きあげているところです。

カツオの一本釣りの様子を再現した巨大なジオラマも!
漁師の表情まで細かく表現されていて、まるで当時にタイムスリップしたかのような気分です。

漁師や海女など海に生きる人々が実際に使った漁具類が説明付きで、わかりやすく展示されています。

海女小屋を発見!
働き者の海女さんたちの楽しみ、海女小屋でのおしゃべりタイムが再現されています。海女さんのジオラマはとってもリアルで、「おいない!」(伊勢志摩の方言で「おいで!」)という声が聴こえてくるようでした!

声に誘われて海女さんたちのおしゃべりに混ざってみました!
小屋の中では、海女さんたちの会話音声も流れていたりと、おもしろい工夫が♩

ここでも、ジオラマが使われていてどのように海女漁がされてきたのかを、学ぶことができます。

続いては、博物館の最大の見どころのひとつ、収蔵庫・船の棟へ。
他では見ることができない日本一の船の収蔵庫です。
入口の扉も見るからに!といった感じで、なんだかわくわくしてきました!

中へ入ってみると全国各地から集められた80隻以上の木造船がずらーーり!
船が一望できるようになっており、そこからの眺めはまさに圧巻です!

つい50年前までは、すべて木造だったという日本の漁船も、今ではエンジンなどを備えたプラスチック船に変わり、全国に1万人以上いた船大工さんは、現在ではわずかしかいないそうです。

ここでは、一本の大きな木をくりぬいて造る「丸木船」から始まる日本の船の発達や進化を知ることができます。

「昔から船は、漁に使われるだけでなく、物資や人の輸送、戦、情報運搬などにおいて重要な役割を果たし、その歴史の上で今の私たちの暮らしが成り立っているんですよ」と館長の平賀さんは話します。

海と人についてたくさん学んだあとは、体験もオススメ!
土日祝日には、海の博物館ならではの体験を開催しています。

こちらは、海のマグネットづくり(2個500円)。
さまざまな貝を組み合わせてマグネットを作ります。
目玉をつければ、魚や亀などの生き物にもできますよ!

いろいろな模様のカノコガイや花びらのようなナミマガシワなど見たことないような珍しい貝もありました。
何を作ろうかな?
作品を家に持ち帰れば、旅の思い出にもなりますね♩

他にも、海藻のレジンや貝殻のストラップ、キャンドルづくりなど、
海の博物館のスタッフさんが考えた作品づくりを体験することができます。

現在は、土日祝日に予約不要で開催しているので、詳しくは公式ホームページをチェックしてみてくださいね!

こちらは、お土産を販売しているミュージアムショップ。
一番人気は、こちらのうなぎのぬいぐるみ!

海の博物館でしか手に入れることのできないオリジナルグッズも数多く揃っています。 

お腹が空いたら、施設内に併設されたカフェ「あらみ」へ。
海の幸牡蠣カレーや答志産シラスのカルボナーラなど、地元の海産物を贅沢につかったメニューの他、海藻を使った身体に優しいカフェメニューも揃っています。

こちらは、スタッフさんおすすめの「自家製 トコロテン」。鳥羽で採れた天草から煮出して作った看板メニューのひとつ。黒みつきな粉でいただきました!

ゆっくり見て周って約1時間半。まるで過去にタイムスリップしたかのようにいろいろなことを見て、触れて、学ぶことができました。

どうしてこんなに豊富な文化財が残されているのでしょう?

歴史を遡ると海の博物館は、三重県沿岸の失われゆく漁村資料を収集する目的で昭和46年に開館されました。「どんなモノでも集める」ことをモットーに実際に使われていた海女漁などの漁撈用具を収集して、大切に保存し続けてきたのです。

「今の世代の人たちに昔の海の暮らしを知ってもらいたい。ここへ来て何かを感じてもらい、海と生きるために作り上げてきた知恵や方法を現代に生きる人たちがどうやって活用してくれるのか。その答えを博物館は楽しみに待っています。」と平賀さん。

海と共存するための人々の長い歴史を感じ、海の文化を大切にしてきた思いを楽しみながら感じることができました!


現在はコロナ対策として、
・入館の際のマスクの着用と入館受付票記入のお願い。
・チケット購入時、展示の観覧時には、十分な間隔をあけてのご案内。
・アルコール消毒液を各棟に設置。
・当面の間、収蔵庫、特別展示室への入場制限。
などを行っております。詳しくは公式ホームページにて。
名称

鳥羽市立海の博物館

住所
〒517-0025 鳥羽市浦村町大吉1731-68
電話番号

0599-32-6006

料金

大人(18歳以上) 800円
大学生以下     400円

営業時間

3月1日~11月30日 9:00〜17:00
12月1日~2月末日 9:00~16:30
(最終入館は閉館の30分前まで)
船の収蔵庫見学 16:00まで

休日

6月26日~6月30日、12月26日~12月30日

駐車場

あり

公共交通機関でのアクセス

鳥羽バスセンターからかもめバスで約35分海の博物館前下車徒歩すぐ

車でのアクセス

伊勢ICから伊勢二見鳥羽ライン経由で約35分

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