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津の銘菓 平治煎餅。笠の形の由来には、ちょっと悲しい物語が!?優しい味を生み出す製造現場にも密着してきました!

掲載日:2021.03.05

小さな笠の形をした素朴な甘さの平治煎餅は、子どもからお年寄りまで幅広い世代に愛される、津市を代表する銘菓です。そんな平治煎餅の変わらない美味しさを守る平治煎餅本店にて、平治煎餅のルーツや作り方、人気の理由を調査してきました!平治煎餅の他にも魅力的なお菓子がたくさんありましたよ!

大正2年創業の老舗「平治煎餅本店」の店舗は、津市内に2か所あります。
まずはこちらの大門本店へやってきました!
今の場所にお店を構えたのは大正7年。それから100年以上、この場所で地元の人々に親しまれ続けています。

さっそく店内へ!
入るとすぐ目の前にあるカウンターに、お菓子がずらりと並んでいます。

数ある商品の中でも平治煎餅本店の名物が、こちらの「平治煎餅」。
直径4cmほどの小さな丸いお煎餅で、中心が高くなった笠の形をしています。


煎餅といえば、一般的には醤油味や塩味をイメージするかもしれませんが、この平治煎餅は甘いお煎餅!
優しい卵の甘さと、ザクザクとしたほどよい歯応えで、小さな子どもからお年寄りまで楽しめる素朴な味わいの銘菓です。

平治煎餅の一番の特徴ともいえる笠の形には、こんな由来があります。
昔、津の阿漕(あこぎ)海岸に、貧しい漁師の平治が暮らしていました。
病気になった母親を元気づけるため、平治は禁漁区でヤガラという栄養のある魚を獲り母に食べさせていました。

母を助けたい一心で法を破り、漁を続けていた平治ですが、ある日浜辺に置き忘れた笠が証拠となり捕まってしまい、役人も平治の思いやりを察しますが、どうすることもできず、阿漕の海に沈められてしまったのです。

なんて悲しいお話・・・と衝撃を受けましたが、そんな優しく思いやりある平治の笠の形をかたどり作られたのが、平治煎餅なのです!
大門本店には、阿漕の浜と平治が乗っていた小舟をイメージした中庭などもあり、この物語の世界にひたることができます。

100年以上にわたって津の人々に愛されている平治煎餅は、どうやって作られているのでしょうか?
今回、特別にその製造工程を特別に見せてもらうことができました!


平治煎餅は、大門本店から車で10分ほどのところにある、平治煎餅本店 江戸橋店に併設する工場で作られています。

こちらが、平治煎餅を焼き上げる機械です。
この2台で、多いときには1日に4万枚もの平治煎餅を生産しているそう!

焼き型を見てみると、あの笠の形をしていますね!
この型に流し込まれる生地の原材料は、創業以来変わらず、小麦粉、砂糖、津市産の卵の3つのみ。
保存料などは一切使用せず、ごくシンプルな3つの材料のみでできています。

生地を流し込んだ焼き型が焼き台の中を通り抜けることで、お煎餅が焼かれていきます。
最後、焼き上がった煎餅を職人さんが手作業で型からはずして出来上がりです!

出来立ての平治煎餅がこちら!
お店に並んでいる平治煎餅はザクザクとしっかりした食感がありますが、出来立てのまだ温かいものを一口食べてみると、ふにゃっとして柔らか!
平治煎餅本店の代表 伊藤さんによると、「実は平治煎餅は温めて食べると、少しこの柔らかい食感に戻ります。温めて食べるのもおすすめ!」と教えてくれました。

そしてしばらく冷ましたものを専用の箱に入れて運び、その後包装されていきます。

実はよく見てみると、煎餅の厚みや笠についた線の模様が、それぞれ微妙に違っているのがわかります。
平治煎餅の焼き型は今でこそ2台の機械の中にたくさん組み込まれていますが、その大元となるのは、大正時代に創業者が手彫りで作った1枚の型。
その型をそのまま複製する形で増やしたため、手彫りによる1つ1つのわずかな違いが現在の平治煎餅にも残っているのです!
それを聞いて見てみると、煎餅1枚1枚にも個性があるようで、温かみを感じます。

ちなみに、平治煎餅にはさまざまなサイズがあり、直径4cmのものは「小笠」、その次に大きいのが10cmの「中笠」、そして20cmにもなる最も大きなものは「大笠」といいます。すごいインパクト!
中笠、大笠は製造の過程で割れやすいため、平たい状態から成形して作られているそうです。

そして最後にパッケージされたものが、店頭に並びます!
こちらは14枚入り540円。笠の形をしたかわいい紙箱に入っていて、お土産にも喜ばれそうです♪


平治煎餅は、14枚入りから最大240枚入り(!)まで、枚数のラインナップも豊富。お土産や贈り物など、用途に合わせて選ぶことができますよ。


平治煎餅 小笠
24枚入り(袋)540円
36枚入り(箱) 918円
48枚入り(箱) 1,296円 他

また、100年の歴史ある平治煎餅に、新商品が登場しました!
こちらは、真空状態の窯の中で平治煎餅にチョコを染み込ませた「平治煎餅ショコラ」。
洗練されたパッケージもおしゃれです♪

ただ単にお煎餅にチョコをかけるのではなく、生地全体にしっかりとチョコが染み込んで一体感があります!ややしっとりとした食感もおいしい♪


平治煎餅ショコラ・平治煎餅ショコラ ホワイト
5個入り 756円

これだけではありません!
平治煎餅本店は、平治煎餅以外にもさまざまなお菓子を製造しています。
こちらは、平治煎餅と同じ平治の笠の形をした人気のお菓子「平治最中」の製造の様子です。

多気町産のお米で作る最中の中に、北海道産の小豆を使った自家製つぶあんをたっぷりと。最後に、笠の形をした最中で蓋をして完成です!
パリッとした最中に、粒の立つほどよい甘さのあんこの組み合わせは間違い無しのおいしさ!

また、お煎餅を焼く技術を活かしたワッフルも人気!
つぶあんやカスタードクリームをはじめ、いちごやキウイ、さつまいも、生クリームとあんこ、コーヒーゼリーなど、和菓子の枠にとらわれないさまざまな種類があり、ふわふわのワッフルとの相性は抜群です!

他にも、カステラ風煎餅でつぶあんをサンドした「重(かさね)」、カスタードクリームをふわふわのスポンジ生地で包んだ「お城でみつけた月」など、さまざまなお菓子があり、その種類は常時あるだけでも20種類以上!


それらを組み合わせた「まごころセット」はプレゼントにもぴったりです♪

また、大門本店にある喫茶スペースでは、平治煎餅本店のお菓子を飲み物とともにゆっくり楽しめる他、イートイン限定のメニューもあります!

こちらは、「平治くんアイス(バニラ)」550円。
小舟型のカップにバニラアイス、頭には平治煎餅の小笠をかぶった、物語の平治をイメージしたスイーツです!

夏のかき氷や、冬のぜんざいなど、季節限定の甘味も人気です。
こちらは「氷コーヒーぜんざい」650円。
コーヒーシロップがかかった氷の中に、つぶあんやバニラアイスも入った贅沢なかき氷です♪

イートインができるのは大門本店のみですが、江戸橋店でも同じようにお菓子を購入することができますよ♪
平治煎餅本店 大門本店
住所/〒514-0027 津市大門20-15
電話番号/059-225-3212
営業時間/9:00〜18:00(喫茶室ラストオーダーは17:30)
休業日/水曜日、1月1・2日
公共交通機関でのアクセス/近鉄・JR津駅から三重会館行(経由)に乗車「京口立町」にて下車し、商店街内に徒歩で約1分
車でのアクセス/東名阪自動車道・津ICから東へ車約8分
駐車場/6台


平治煎餅本店 江戸橋店
住所/〒514-0008 津市上浜町2丁目200-1
電話番号/059-226-9968
営業時間/9:00〜19:00
休業日/1月1日のみ
駐車場/8台
公共交通機関でのアクセス/近鉄 江戸橋駅から徒歩約10分
車でのアクセス/東名阪自動車道・津ICから東へ車約10分


平治煎餅本店
公式URL/http://www.heijisenbei.com/
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