三重県総合博物館(MieMu)第26回企画展「1960年代の熱気を未来につなぐ~出来事でふりかえる60年の歩み~」で、1960年代の懐かしいモノや映像・写真を見てきました。

掲載日:2020.01.06

令和2年2月24日(月・振休)まで開催の、三重県総合博物館(MieMu)第26回企画展「1960年代の熱気を未来につなぐ~出来事でふりかえる60年の歩み~」は、1960年代に三重県で起こったさまざまな変化を、なつかしのモノや映像・写真等で、鉄道や自動車といったのりもの、建物、オリンピック、環境、くらしの道具といったさまざまな観点からふりかえります。

三重県総合博物館(MieMu)にて、冬の企画展「1960年代の熱気を未来につなぐ~出来事でふりかえる60年の歩み~」が開催されています。

1960年代といわれて、みなさんは何を思い浮かべますか?
「東京オリンピック」、「高度経済成長」、「東海道新幹線開通」、「カラーテレビの登場」、「自家用車の普及」、「ビートルズ来日」、「ヒッピーブーム」、「ウルトラシリーズ放送開始」・・・などなど、答えはさまざまでしょう。

今回の1960年代展は、そんなさまざまな“出来事”が起こった激動の1960年代を、のりもの・建物・オリンピック・環境・くらしの道具といった多様な観点から振り返り、当時の“熱気”を感じられる展覧会となっているそうです。

ということで、さっそく遊びに行ってきたので展覧会の内容をレポートしますね。
それではいざ、1960年代へとタイムスリップ!

展示室に入ってまず目に入るのは、スバルの自動車。
「ぽてっ」としたフォルムが可愛いですね。その姿から、当時「てんとう虫」と呼ばれていたそうです。
1960年代は、モータリゼーションが大きく進展した時代であり、自動車もさまざまな工夫を凝らしたものが造られていったようです。

お次は小型オート三輪車。
最近の子どもたちは、三輪の自動車があったということをご存知なんでしょうか?すっかり車=四輪というイメージが定着しているので、子どもたちが見たらびっくりするかもしれませんね。

小型オート三輪車の向かい側にはバイクが展示されています。
写真の左側にあるのは自転車ですが・・・これは自転車に補助エンジンを付けたもの(いわゆる“原付自転車”)で、バイクの元祖ともいえる姿だそうです。

なつかしの車で感傷に浸った後は、今度は同じ乗り物でも「鉄道」からみた1960年代。
自動車がより身近な乗り物になったことで“マイカーブーム”が起きたように、鉄道もこの時代さらに便利になっていきました。

本展覧会では、三重県民にとってお馴染みの「近鉄」の軌間拡幅工事における記録映像が映し出されています。とても貴重な映像です。
上映時間は40分(!)と少し長めですが、もし見逃したシーンがあったとしても映像の解説パネルが所狭しと設置されていますので、無理のない範囲で楽しみましょう。

なんだか今回の企画展は乗り物に対する“愛”がすごく伝わってきますね。実物の自動車が何台も展示されているだけでなく、写真や資料の数がとにかく多く、遠くから見ていても圧倒されます。
まさに“モーレツ展示”!!

圧倒的な乗り物展示の次にあるのは、旧三重県庁舎の模型。
旧庁舎が完成したのは明治12年ですが、全体的に洋風な造りとなっており、当時建てられた県庁としてはとてもハイカラだったのではないでしょうか。

そんなオシャレな旧庁舎は、84年余にわたり三重県政発展のために尽くしましたが、昭和39年に現在の庁舎が新築されたため、旧庁舎は解体となりました。
しかしその後、旧庁舎は「明治村(愛知県犬山市)」に移築復元され、さらに昭和43年には重要文化財の指定を受け、今に至るまで保存・公開されているのです。めでたしめでたし!

次は旬の「オリンピック」コーナー。1960年代を語るにおいて絶対に外せませんね。
大きな写真パネルは三重県庁前での聖火リレーの様子。聖火は1964年9月30日に滋賀県から引き継がれ、鈴鹿峠を超えて亀山を通過、津の県庁で一泊した翌日(10月1日)、鈴鹿→四日市→桑名を通り、多度で岐阜県に引き継いだのだとか。
今度の聖火リレーはどんなコースになるのか、楽しみですね。

こちらはオリンピック関連のグッズや雑誌など。
国内でのオリンピック開催で盛り上がるのは、今も昔も変わりませんね。

続いては「建物」のコーナー。
三重県出身の建築家・東畑謙三氏と彼が建築を手掛けた建物や、1950年代から1970年代にかけての三重県内の建造物が紹介されています。

雰囲気がガラリと変わり「カモシカ」のコーナー。
1960年代とカモシカに何の関係が?と思われるかもしれませんが、1960年に「鈴鹿山系かもしか保存学術研究会」が発足、1965年には県内でニホンカモシカの飼育下の完全繁殖に成功(なんと世界初!)するなど、カモシカの研究が大きく進展した時期にあたるそうです。
ちなみにカモシカは、三重県の"県獣"に指定されているんですよ。

高度経済成長の最盛期で輝かしいイメージのある1960年代ですが、それに伴い環境破壊が起こり、特に「公害」による住民への健康被害が深刻化しました。このような経済成長による弊害もまた、1960年代を語るにおいて欠かせません。
本展覧会では、「四大公害病」のひとつである「四日市公害」を伝える写真パネルが壁一面に展示されていました。

次からのコーナーは「くらしの道具」。
三重県総合博物館では毎年この時期になると、小学校の社会科で学習する「昔の道具とくらし」に合わせた展示を行っており、今回もその学習支援としてくらしの道具を展示しているそうです。

こちらは電化製品が普及する前のくらし。

一方、こちらは電化製品が普及した後のくらし。

電化製品の普及が生活スタイルにどれだけ変化をもたらしたか一目瞭然ですね。
そして世代によって感想がはっきりと分かれそうでもあります。平成生まれの観覧者の方に伺うと、「そういえば昔遊びに行った祖母の家にあったような気がするものもあれば、そもそも存在を今はじめて知ったものもちらほらありました。」とのことでした。

ちなみにくらしの道具コーナーでは、写真のような実際に触って動かすことのできる体験展示があります。
はたして、若者たちは正しく使うことができるのか!?
(ちゃんと説明がありますのでご安心を)

1960年代展に戻り、次は「高度経済成長を見つめた人々」のコーナー。
国民所得倍増計画を受け、三重県においても県勢の発展や県民生活の安定を図った長期経済計画が立案されました。当時の開発計画が分かる資料が展示されていて正直難し・・・とても勉強になります!

本展覧会では最後に、展覧会の感想や1960年代の思い出等を付箋に書いて貼り付けるコーナーがあります。
自分の体験談を書き留めるのはもちろん、他のお客さんがどんな思い入れを持っているのか見てみるのも意外な発見があっておもしろいですよ。(小さいお子さんが書いたと思しき感想を見てみると「くるまのタイヤが3こでびっくりした」と。やっぱり驚いちゃいますよね!)

大人にはなつかしさを、子どもには衝撃を与える(かもしれない)今回の展覧会。
世代間だけでなく、見る人それぞれの生活スタイルによって、抱く感想は十人十色でしょう。家族や友達と思い出を語らいながら見るのも良し、ひとりでじっくりと見て感慨にふけるのも良しと、さまざまな楽しみ方があると思います。
2020年に入り、これからいよいよオリンピック!と先のことに関心が寄せられがちですが、今一度立ち止まって昔の出来事に思いを馳せてみませんか?

【展覧会詳細】
第26回企画展「1960年代の熱気を未来につなぐ~出来事でふりかえる60年の歩み~」
1960年代は高度経済成長にともない、日本のくらしや社会が劇的に変化した時代でした。今回の展示では、この時代に三重県で起こったさまざまな変化を、なつかしのモノや映像・写真等で、鉄道や自動車といったのりもの、建物、オリンピック、環境、くらしの道具といったさまざまな観点からふりかえります。
期間中は、講演会やギャラリートーク、関連イベントを開催します。ぜひご家族やお友達とお越しください。

開催期間:令和元年12月21日(土)から令和2年2月24日(月・振休)まで
 ※休館日は毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)

開催時間:9時から17時まで
 ※入場は閉場の30分前までとなります。

会場:三重県総合博物館(MieMu)3階 企画展示室(津市一身田上津部田3060)

観覧料:一般500円、学生300円、高校生以下無料

ホームページ:http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/
Facebook:https://www.facebook.com/mie.pref.museum
Twitter:https://twitter.com/mie_pref_museum
名称

三重県総合博物館「MieMu(みえむ)」

住所
〒514-0060 津市一身田上津部田3060
電話番号

059-228-2283

料金

【基本展示】
大人520円、大学生・各種専門学校生310円、高校生以下無料

企画展は別途観覧料が必要です。

営業時間

午前9時~午後5時
※展示室への入室は午後4時30分まで

休日

毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)
年末年始(12月29日~1月3日)

駐車場

有り(無料)

公共交通機関でのアクセス

津駅から総合文化センター行き・夢が丘団地行き(系統番号89)乗車
総合文化センター前・総合文化センター 下車すぐ

車でのアクセス

・伊勢自動車道「芸濃IC」から約20分
・伊勢自動車道 「津IC」から約10分

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