みえの推し活!【ミキモト真珠島】多機能ジュエリー「矢車」から知るミキモトの魅力

掲載日:2026.05.15

三重県内の観光施設で働く方々に、ご自身の「推し」を語っていただく企画「みえの推し活!」。今回は、真珠養殖発祥の地であり、伊勢志摩観光の定番スポットである「ミキモト真珠島」を訪ねました。

御木本幸吉銅像

日本が世界に誇るジュエラー「MIKIMOTO」の創業者「御木本幸吉」が、世界で初めて真珠の養殖に成功したこの島。

ミキモト真珠島外観

ミキモト真珠島では、真珠養殖のしくみや美術工芸品を紹介する「真珠博物館」、真珠養殖を支えた「海女の実演」、創業者の生涯を辿る「御木本幸吉記念館」などを通して、三重県が誇る真珠文化の歴史を学ぶことができます。
今回は、そんな真珠養殖の歴史や、ミキモトのジュエリーコレクションを今に伝える若手学芸員さんにお話を伺いました。

今回推しを語ってくれるのは、真珠博物館の学芸員 小﨑さん

真珠博物館の学芸員「小﨑さん」

出迎えてくれたのは、昨年入社されたばかりの若手学芸員、小﨑さん。
大学では宝飾品史を研究されていた小﨑さんは、その専門性を活かし、ミキモト真珠島へ就職されました。
現在は、真珠博物館の収蔵品の管理や季節ごとの企画展の運営を担当し、来館者に真珠養殖の歴史と魅力を伝えています。

学芸員 小﨑さんの推しは、多機能ジュエリー「矢車」

そんな小﨑さんが「推し」として挙げるのは、1937年(昭和12年)パリで開催された万国博覧会で出品された、昭和初期のミキモトを代表する名作、帯留兼用ブローチ「矢車(やぐるま)」です。

矢車

「矢車は、ミキモトの意匠と技術が凝縮された作品」と語る小﨑さん。
職人による細工の精巧さや、贅沢にあしらわれた真珠や宝石の豪華さはもちろんですが、その「発想の斬新さ」に注目です。

なんとこのジュエリー、緻密に計算された構成部品を分解・組み替えすることで、指輪や髪飾り、ブローチなど、全部で12通りもの装身具に変化するという驚きのからくりを持っているのです。

矢車分解図

日々作品のすぐそばでその美しさに触れている小﨑さんに、「矢車」の3つの推しポイントを解説していただきました。

学芸員が語る!「矢車」の3つの推しポイント

1.緻密な職人技

矢車

小﨑さん「まず注目していただきたいのが、ミキモトの技術力の高さです。矢車には、最高品質のアコヤ真珠のほか、ダイヤモンドやエメラルド、サファイアといった宝石が贅沢に使われており、これらはいずれも、当時の職人の手作業によって施された非常に緻密な細工です」
この精巧な仕上がりが、世界を驚かせたミキモトの技術の高さを物語っています。

2.12変化を支える「使い手への思いやり」

矢車分解パーツ

小﨑さん「2つ目のポイントは、随所に見られる『使い手への配慮』です。博覧会用の作品でありながら、実際に身につけて使う人のことまで考え抜かれているんです」
12種類に組み替えるためのパーツはネジで固定されており、付属の専用ねじ回しで取り外しが可能。さらに、「誤ってネジを落とさないための工夫」や、「左右同じ形の部品を組み立てる際に混同しないための目印」まで施されています。 美しさだけでなく、実用性への心遣いが詰まっている点こそが、小﨑さんがこの作品に惹かれる理由なのだそうです。

3.50年を経て果たした「里帰り」

矢車展示風景

小﨑さん「そして最後のポイントは、この矢車が辿ってきたドラマチックな歴史です。実は、1937年(昭和12年)のパリ万博に出品され、現地で買い取られた後、長らく行方不明になっていたんです」
幻のジュエリーとなってしまった「矢車」。
しかし、それからちょうど50年が経った1987年、ニューヨークのオークションに突如として姿を現します。それをミキモトが落札し、日本への里帰りを果たしました。
このような数奇な運命を辿ってきたエピソードも、このジュエリーが持つ魅力の一つです。

他にも見逃せない! 真珠博物館の収蔵品と展示物

真珠工芸品「自由の鐘」

真珠博物館には「矢車」のほかにも見どころが尽きません。
関西万博に再展示され話題となった「自由の鐘(※12,250個の真珠と366個のダイヤモンドを使用。1939年のニューヨーク万博に出展)」など、ミキモトがこれまで世界の博覧会に出品し、世界中の人々を魅了してきた至高の真珠工芸品たちがずらりと展示されています。

真珠の王冠

真珠博物館で学ぶ、真珠のできるしくみ

また、博物館の1階では、世界で初めて実用化に成功した真珠養殖の仕組みや、パールのネックレスが完成するまでの一連の工程を分かりやすく学べます。

真珠の核入れ

真珠養殖のために核を入れたアコヤ貝から、最高品質の「花珠(はなだま)」と呼ばれる真珠が生まれるのは、全体のわずか5%程度。

真珠の選別

その厳しい選別を経て、さらに大きさや色、表情を揃えて、ミキモトのネックレスが完成するまでの物語は必見です。

ミキモトのネックネス作成の行程

鳥羽湾の海風を感じながら、ミキモト真珠島を満喫!

「海女」による潜水実演

海女の実演

ミキモト真珠島では、かつて真珠養殖を支えた海女さんの姿を、間近で見学することができます。
現在では、いかだで吊るす方式の養殖が確立しているため、海女さんが潜ってアコヤ貝を管理する必要はなくなりました。
しかし、ミキモト真珠島では、「養殖真珠が誕生した背景には、海女の活躍があった」という歴史を伝えるため、今でも伝統的な白い磯着姿での実演を続けています。

海女の潜水

ミキモト真珠島で買うパールジュエリー

パールプラザ

小﨑さんが推しと語る「矢車」の普遍的な美しさは、現代のミキモトのジュエリーにも息づいています。
島内の直営ショップ「パールプラザ」では、日常を彩る多彩なジュエリーが並びます。

真珠のネックレス

美しい輝きの真珠のジュエリー。
ミキモト真珠島を訪れた記念に、ぜひ一生モノの旅の思い出としてお迎えしてみてはいかがでしょうか。

ミキモト真珠島のジュエリー

レストラン「阿波幸」でいただく希少なアコヤ貝の貝柱

阿波幸の真珠定食

散策の合間には、鳥羽湾の絶景が広がるレストラン「阿波幸」へ。

阿波幸という店名は、御木本幸吉の生家であったうどん屋の屋号が由来です。
ここでは、伊勢うどんと共に、真珠養殖に使われた「アコヤ貝の貝柱」を使ったメニューがいただけます。
真珠を育んだ命を大切にいただく、サステナブルな一品です。

アコヤ貝の貝柱

ミキモト真珠島はJR・近鉄「鳥羽駅」から徒歩約5分とアクセス抜群!

日本で唯一ラッコに会える「鳥羽水族館」もすぐ近くに位置するため、水族館とセットで巡ったり、「伊勢神宮」参拝後の立ち寄りスポットとして旅のコースに組み込んだりと、ミキモト真珠島は伊勢志摩エリアの観光に欠かせないスポットです。

ミキモト真珠島と小﨑さん

ミキモト真珠島へ足を運び、小﨑さんの推し「矢車」の実物と、真珠養殖の奥深さを、ぜひその目で確かめてみてください。

名称

ミキモト真珠島

住所
〒517-8511 鳥羽市鳥羽1-7-1
電話番号
0599-25-2028 (ミキモト真珠島)
料金

大人 1,650円、小・中学生 820円

営業時間

9:00~17:00(季節により変動あり)

休日

12月の第2火曜日より3日間

駐車場

120台
600円/2時間(1時間延長ごとに200円)

公共交通機関でのアクセス

JR・近鉄鳥羽駅から徒歩約5分

車でのアクセス

伊勢自動車道伊勢ICから伊勢・二見・鳥羽ライン終点より5分

観光三重 編集部の画像

観光三重 編集部

名作「矢車」が単に豪華なだけでなく、ネジ一本まで配慮された設計には、日本のものづくりの原点を感じました。
真珠の美しさはもちろん、それを支える海女さんの歴史や、厳格な選別過程など、真珠養殖の奥深さを肌で感じる取材でした。
真珠養殖発祥の地「ミキモト真珠島」を訪れて、その魅力をぜひ体感してみてください。

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