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取材レポート

肉の芸術品「松阪牛」を老舗「牛銀本店」にて堪能。三重県出身の写真家・浅田政志さんが松阪牛の美味しさに迫る。

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本格的な「松阪牛」牛鍋を堪能できる牛銀本店は、2019年にはミシュラン三重ガイドブックにも掲載された名店。牛銀本店にて、松阪牛の美味しさに写真家・浅田政志さんが迫ります!

明治35年創業の老舗「牛銀本店」は、創業当初より牛鍋屋として「本格的な松阪肉の美味しさ」にこだわりを持って、代々お店を営んでこられました。すきやき、汐ちり(薄口醤油とコショウで調味した鍋)、水だき(しゃぶしゃぶ)、あみ焼きなど、様々な形で松阪牛を味わうことができます。全国(名古屋など近隣だけでなく、東京や大阪、なんと北海道も!)からお客さんが訪れるほどの人気店で、2019年にはミシュラン三重ガイドブックにも掲載されました。そんな名店「牛銀本店」にて、写真家・浅田政志さんが松阪牛の美味しさに迫ります!

記事内には、浅田政志さんが撮影した写真もあります。要CHECK!

映画「浅田家!」の原案者でもある浅田政志さんのプロフィールはこちらから

■目次

1.松阪牛はなぜ美味しいのか?

今回いただくのは「すきやき 特選・寿」(税込19,723円※写真は2人前の量です)。松阪牛は、甘くてコクがある上品な和牛香が特徴で、これが美味しさの秘訣なんです。和牛香は薄い食塩水に入れ80℃で2分間加熱すると最も強く感じられることから、すき焼きやしゃぶしゃぶで食べるのが美味しさを引き出すのに最適なんだそう。また、松阪牛は一般的な和牛よりもさらに口の中で溶けやすい脂(不飽和脂肪酸)を多く含むため、口に入れた途端、とろけるような食感となり、美味しさが強調されます。すき焼きで松阪牛を食べたら、間違いなし!ということですね。

牛銀4代目店主の小林甲児さんから、松阪牛の美味しさについて、さらに深いお話を聞きました。

店主・小林さん 松阪牛が美味しくなるためには、いろんな要素がありますが、根本的には、農家さんが丹精込めて優しく育てる、ということにつきます。農家さんのところへ行って、牛を見せていただいていますが、毎日朝から晩まで、牛たちに声を掛けながら、愛情深く接している様子を目にします。

浅田政志さん 農家さんの所まで出向かれるんですね!

店主・小林さん はい。どんな良い子牛を買ってきても、どんな良い餌を食べさせても、どんな良い環境においても、育てる人が一生懸命、牛のことを考えていないと美味しいお肉はできません。松阪牛は、黒毛和牛雌の子牛を、松阪牛の生産区域の農家が肥育した未経産牛のことを指します。さらに松阪牛のなかでも、兵庫県産の子牛を松阪牛の生産区域で900日以上育てた場合「特産」と名乗ることを許されます。900日もかけて、一生懸命育てるっていうことですね。私が知っている松阪牛の農家さんは、たくさんの数を育てるのではなくて、少数の牛を大切に育てていく方針の所が多いです。

浅田政志さん なるほど。貴重なんですね。

店主・小林さん 牛銀本店では、松阪肉を熟成させてお出ししています。独特の小豆っぽい色の赤身と、くすんだ白っぽいサシが美味しい証拠。現在主流である鮮やかなピンクの赤身に、真っ白なサシのものとは見た目が異なるため、お客さまによっては、驚かれる方もいます。実は松阪牛も改良が重ねられてきていて、時代のニーズに合わせて色味や味など、少しずつ変化してきてはいますが、牛銀本店では松阪牛元来の美味しさにこだわりを持っているので、農家さんにも昔のやり方で牛に餌を与え、育ててほしいとお願いしています。

2.松阪牛の本場で味わう絶品すき焼き

仲居さんが目の前で丁寧に調理してくださいます。松阪のすき焼きは、割り下を使わず、砂糖と醤油で先に牛肉を焼いて、そのあと野菜をいただくのが特徴です。

浅田政志さん 楽しみです!よろしくお願いします。

仲居さん お鍋が温まる前にお肉を入れて、砂糖と醤油だけで焼いていきます。

浅田政志さん 温まる前に、なんですね。

仲居さん 温めすぎるとお肉が焦げて鍋にくっついてしまうんです。では、1枚ずつ焼いていきますね。砂糖を雪のようにかけながら…

浅田政志さん 雪のように…良い表現ですね!


肉の芸術品「松阪牛」を老舗「牛銀本店」にて堪能。三重県出身の写真家・浅田政志さんが松阪牛の美味しさに迫る。

浅田政志さん すき焼きの良い香りが漂ってきました!

出来上がりを楽しみに待つ浅田政志さん。

すき焼きが出来上がりました!お肉に卵をからめて、いただきます。

浅田政志さん これは幸せ。お肉が口の中でとろけますね…。

続いて「野菜もシャキシャキ感が残っているくらいが美味しいので」と、仲居さんが絶妙なさじ加減で調理した野菜たちをいただきます。

浅田政志さん 野菜も美味しい!毎日食べたいくらい。これは、お客さんも感動しますね。

仲居さん 有難うございます。小さいお子さんでも「美味しい!」といって完食されるんですよ。

3.牛銀本店のこだわりについて

店主・小林さん すき焼き、いかがでしたか?

浅田政志さん もう…めちゃくちゃ美味しかったです。味もそうですけど、仲居さんが隣で1枚1枚丁寧に焼いてくださって、お野菜も食べるタイミングを見計らってベストなタイミングで出してもらえて。最後まで美味しくいただけました。仲居さんとのお話も楽しい。歴史のある建物の中で、空間も含めて、全部が揃って味が引き立つんだな、と感じました。

店主・小林さん まさに私たちが目指しているのは、浅田さんが仰っているところなんです。空間と食とサービスと、3つが融合して「美味しい」に繋がるのかな、と思っていたので。浅田さんに言っていただけると、こうやって古い建物も残しておいてよかったなと思います。

浅田政志さん 日常的に食べに来るというよりは、何かの記念日とか、結婚何十周年とか、子供が20歳の記念とか。来られるお客さんが、それぞれ特別なストーリーを持って来ることも多いと思います。牛銀本店は、いろいろな方の人生の喜びの場所でもあるのかな?と、思いました。

店主・小林さん そうですね。もちろん、農家さんが丹精込めて育てたお肉を召し上がっていただくこと自体も大切ですが、食べるため以外に、どんな目的で来ていただいているのかな...と心くばりすることも大切にしています。例えば、玄関でお出迎えをする下足番が、「今日おばあちゃん還暦やな」と話すお客様の会話を耳にしたら、出来る限りスタッフで共有する、といったふうに心掛けています。お客さまに喜んでいただくために、できることがあったらしたい!という精神です。

4.牛銀本店が店を構える、歴史深い魚町通りについて

純和風建築の旅館を改装して作られている牛銀本店。松坂城の城下町、伊勢参宮街道のそばにある魚町通りの並びには、本居宣長宅跡(国指定特別史跡)や旧長谷川治郎兵衛家(国指定重要文化財)も立地しています。

店主・小林さん この魚町通りにある、紀州藩の御目見(おめみえ)医師だった小泉家住宅を、1996年に牛銀で購入・整備しました。それが、2017年に「見庵」の名前で、国登録有形文化財になったんです。見庵も含めて、なかなか、一つの通りに国指定の史跡や有形登録文化財、重要文化財が並んでいるっていうところはないんじゃないかなと思います。さらに通りを越えて歩いていくと、松坂城跡や、三井家発祥地や、旧小津清左衛門家などもあって、見所いっぱいですね。伊勢参宮街道すぐそばということもあって、伊勢神宮の参拝に合わせてこられる方も多いです。

牛銀本店の屋内は風情たっぷり。階段や廊下、窓枠も木でできており、古き良き温かみを感じます。

店主・小林さん 19歳で一度地元松阪を離れて、修行のため東京に行きました。東京の知人に地元の紹介も兼ねて、牛銀本店のお肉を取り寄せ、食べてもらうと、「え?!なにこれ?!めちゃくちゃ美味しい」って感動してくれて。私にとっては小さい頃から親しみのあるお肉の味なので「え?!そんなに驚くほど美味しい?」と…改めて松阪牛の魅力に気づきました。

逆に東京で驚かされたことがあるのですが…と続ける小林さん。

店主・小林さん 「カツ丼」というと「豚カツ」が出てくることに驚きまして。松阪ではカツ丼っていうと牛肉のカツなんですよ。

浅田政志さん 牛肉のカツ!松阪特有かもしれませんね。

店主・小林さん そうかもしれません(笑)。ともかく、一度地元を離れたからこそ見えた、地元の良さがありました。松阪牛は地元だけのものじゃなくて、全国的なんだということも、地元を離れて体感できました。それは、当然牛銀本店の力だけではなくて、明治時代からいろんな商人や、松阪牛を扱うお店が広めてくださったお陰やな...と思っています。だから、牛銀だけ繁盛していてはダメで、松阪牛にかかわる皆さん全体が潤わないと、と思っています。そもそもうちだけ繁盛してもつまらないですよね。周りのお店も同じことを考えていると思います。

浅田政志さん チーム松阪で盛り上げていくと。松阪は商人のまちだから、人に優しかったり、周りの繁盛を願ったりする文化があるのでしょうか?

店主・小林さん そうかもしれません。優しい人が多いまちですね。

浅田政志さん 素敵です!

店主・小林さん 松阪や、牛銀本店に足を運んでくださった方が「全てにおいて、良いまちやったな~」って感動して、また来てくださると良いな!と思っています。

5.浅田政志さん撮影写真

牛銀本店の玄関口で、店主と女将を撮影。後ろにある木の飾りは「寿」の文字をイメージしたものだそう。2人が手を添えているカエルは「お客さまを引く、ヒキガエル」ということで、これもまた縁起物。にこやかな表情のご夫婦で、とっても素敵です!

【牛銀本店詳細】
店舗住所:三重県松阪市魚町1618
営業時間:11時~20時
(最終入店18時45分、オーダーストップ19時)
電話番号:0598-21-0404
公式サイト:https://www.gyugin-honten.co.jp/

記事制作:MSLP

カテゴリー
食&グルメ
季節
オールシーズン
エリア
中南勢

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