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桑名のシンボル「六華苑」は見どころいっぱい!華麗な洋館、重厚な和館、緑豊かな日本庭園…

掲載日:2020.01.21

桑名市有数の観光スポットとして、国内外から年間約5万人が訪れる六華苑は、桑名の実業家だった二代諸戸清六(もろとせいろく)の新居として建てられました。洋館と和館は国の重要文化財に指定されていて、歴史遺産としても貴重な存在となっています。また、TVドラマや映画のロケ地としても知られており、2019年のNHK大河ドラマ『いだてん』の撮影も行われました。全国的にもますます注目度が高まっている六華苑を訪れ、その大いなる魅力を探ってきました。

六華苑は、明治44年に着工し、大正2年に完成しました。当時、二代諸戸清六はまだ23歳。この若さでこのような大邸宅を構えることができたのは、先代が築き上げた莫大な資産とそうそうたる人脈があったがゆえのことです。

ちなみに六華苑というのは、平成5年に一般公募した中から選ばれた名称です。

入苑するのはこの長屋門から。中央が出入り口となっており、左右に部屋が設けられているというスケールの大きさに驚かされます。

まさに栄華を誇った諸戸家邸宅の表玄関にふさわしい重厚な造りですね。

入苑料は一般(高校生以上)460円。中学生150円、小学生以下は無料(ただし同伴者が必要)となっています。

六華苑といえば何といってもこの洋館が真っ先に思い浮かびます。あの鹿鳴館を手掛け「日本近代建築の父」と称されたイギリス人建築家ジョサイア・コンドルによって設計されました。

ひときわ目立つ塔屋は、当初3層建ての予定でしたが、眺望を重視する二代諸戸清六の希望により、4層に変更になったそうです。

最上階で清六はコーヒーを飲みながら眼下に広がる絶景を見つめていたとのこと。さぞかし優雅な気分だったでしょうね。

六華苑の建築費は、現在の貨幣価値に換算するとどれぐらいになるのでしょうか。そもそも建築予算に上限がなかったそうで、そのスケールの大きさには驚くばかりです。

ただ、全体的には過度に豪華な印象はなく、シンプルな造りになっており、伝統的な木造ルネサンス様式がベースとなっています。

1階の客間。洋館は主に訪問客をもてなすためのスペースで、日常の生活は和館で行っていたそうです。部屋にはアンティーク家具が置かれており、当時の雰囲気が再現されています。

窓ガラスや窓枠がゆるやかなカーブを描いているところなどに、当時の最新技術を駆使して造られた様子が伺えます。

洗面所のトイレは建設された時から水洗だったというからちょっとオドロキ!大正の世において、この邸宅にはすでに水道が通っていたということです。

敷き詰められたタイルも輸入品で、当時のままの姿を今に留めています。今でも十分通用しそうなモダンなデザイン。その横には電話室も設けられており、まさに先進的な設備や機器に囲まれた生活だったわけですね。

1階から2階へと通じる階段の手すり部分に注目!何と、ハートマークに見えます。邸宅内には他にもいくつかの調度品にこのような装飾が見られるそうです

設計者であるコンドルは、どうしてこのようなデザインにしたんでしょうか。

もしかしたら、結婚したばかりの清六への気遣いだったのかもしれませんね。

ハートマークは、2階寝室に備え付けられている暖炉でも見ることができました!「日本近代建築の父」と呼ばれ、建築界の重鎮であったジョサイア・コンドルにも、こんなお茶目な一面があったんですね。

ちなみに、この石炭を使用する暖炉も、当時としては最先端を行く設備だったとか。

2階のサンルーム。十分な陽光が差し込み、開放的な雰囲気に包まれています。

もちろん、眺望は抜群ですが、これだけガラス戸が大きく取られていると、風が強く吹いた時など大丈夫なのかと思ってしまいました。でも、こんもりと繁った庭内の木々が、風の勢いを削いで、結果的に建物を守る効果をもたらしているそうです。

さて、次は和館に向かいます。明治から大正時代は、洋館に和館が併設されることがよくありましたが、六華苑のように大規模な和館が、一直線上に接続されているのは他にあまり例のない建て方だそうです。

両館は壁一枚でつながっており、1階と2階どちらからでも行き来できるようになっています(現在和館2階は非公開です)。

和館は木造平屋造りで、一部2階建てになっています。諸戸家のお抱え大工だった伊藤末次郎が棟梁を務めました。洋館の竣工に先立ち、大正元年に完成しています。

六華苑というと、華やかな洋館のイメージが強いかもしれませんが、こちらの和館も特徴ある障子の貼り方や、各部屋を囲むように設置された板廊下、客間から障子越しに眺める内庭の光景など見どころは満載です。

畳敷きと板敷きの廊下が平行して造られています。主人や家族、訪問客が畳を、使用人は板敷きの廊下をサービス導線として使用していたそうです。

また、洋館の玄関も基本的には諸戸家の親族と訪問客のみが利用していました。

諸戸家の日常生活の大半は、和館で行われていました。この一の間は主に訪問客をもてなす場として使われており、素材も他の部屋より高品質なものが使われています。

天井が高く、広々と開放的な室内。時間とお金を無駄に使うことを好まない先代諸戸清六の考えを受け継いだのか、豪華な装飾などは用いられず、全体的にすっきりと簡素な造りになっています。

桑名市の有形文化財に指定されている離れ屋に設けられている無双窓(むそうまど)。波を思わせる曲線の形をした格子が特徴です。開閉式となっており、実際に手で開けたり閉めたりできるという珍しい構造になっています。

派手さは感じられませんが、良質の素材や格式を感じる意匠が施されており、当時においても茶会がよく開かれていたそうです。

館内を一通り回った後、ロビーに設けられているカフェスペースで、抹茶と干菓子(ひがし)をいただきます(400円/税込)。

四季折々の姿を見せる広大な内庭を眺めながら、まさにホッと一息つける瞬間です。

この雰囲気の中で抹茶をいただく…。他の場所ではなかなか味わえない趣を感じますね。

心を落ち着かせた後で、千羽鶴を折ってみます。桑名の千羽鶴は、1797年に地元の僧侶により刊行された『秘伝千羽鶴折形(ひでんせんばづるおりかた)』に記された49種類の折り方を今に伝えるものです。

さっそく体験用の和紙(1枚200円/税込)を購入。実際に折り進めていくと、戸惑うところもありますが、そんな時は係の方に言えば親切に教えてくれますよ。

桑名の千羽鶴の特徴は、2羽から最大97羽の折鶴がつながっていること。それが全て1枚の紙で折られており、はさみで切り込みを入れていくだけで、のりは一切使わないというからビックリ!

上手に折るコツは「机の上で折らずに、手で持ったまま折る」ことだとか。助言をいただきつつ、つながる2羽の千羽鶴が無事に完成。まるで仲睦まじい親子のようですね。

この桑名の千羽鶴は、桑名市の無形文化財に指定されており、六華苑でも折り方の講座が開催されるなど、伝統文化として継承・発展させていこうとの気運が高まっています。

また訪れた外国人にも好評で「まるで魔法のようだ」と驚かれたり、お土産として持ち帰ったりすることも多いとか。折り鶴用の和紙もたくさん種類があるので、ぜひ一度体験してみてくださいね。

建物とほとんど同時期に築造され、その当時の形を、ほぼ維持しているという庭園。

敷地面積は約5600坪で、平成13年には国の名勝に指定されています。中心に大きな池を配置し、その周囲を回遊しながら鑑賞できる池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)となっており、野鳥や昆虫類の憩いの場ともなっています。

穏やかな水面に映る建物。「逆さ六華苑」とも言えるショットを写そうと、多くの来館者がこの撮影ポイントを訪れるそうです。

また、洋装、和装どちらでも映えるということで、結婚式における前撮りの舞台としても人気があり、今では年間約400組ものカップルが利用しているとか。

創建時の姿がほぼそのまま残されている六華苑。ゆったりと散策して、和洋の文化が入り混じった遥かなる大正浪漫の時代へとタイムスリップしてみましょう!



【六華苑(旧諸戸清六邸)】

住所:桑名市大字桑名663-5

TEL:0594-24-4466

開苑時間:9:00~17:00(入苑時間は16:00まで)

休苑日:月曜日(月曜が祝日の場合、翌平日)年末年始(12月29日~1月3日)

アクセス:桑名駅東口より三交バス田町で下車、北へ徒歩10分。

公式URL: https://www.rokkaen.com/

 

※2019年12月時点の情報です。料金等の情報が変更されている場合がありますので、お出かけの際は問い合わせ先にご確認ください。



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