「香肌峡に惚れました」松阪の豊かな自然・文化に惹かれて集まった地域おこし協力隊の皆さんに、三重県出身の写真家・浅田政志さんがインタビュー

掲載日:2021.12.15

松阪市の飯南・飯高地域にまたがる香肌峡。櫛田川とその支流に沿って豊かな緑や、四季折々の美しい景観を楽しむことができます。松阪の自然に惚れ込み移住してきた地域おこし協力隊の皆さんに、三重県出身の写真家・浅田政志さんがインタビュー。自然の魅力や、地域おこし協力隊の活動について掘り下げます。

香肌峡は、お茶やしいたけ、あゆなど香り高い産物に恵まれたことから名づけられたと言われる、景観が美しいスポット。今回は松阪市の地域おこし協力隊の3名に、活動内容や、香肌峡をはじめとする飯南・飯高地域の豊かな自然の魅力についてお話を聞きました。

記事内には、浅田政志さんが撮影した写真もあります。要CHECK!

映画「浅田家!」の原案者でもある浅田政志さんのプロフィールはこちらから

■目次

1.松阪市 地域おこし協力隊のみなさんについて


まずは松阪市 地域おこし協力隊のみなさんのプロフィールについてご紹介。

地域おこし協力隊とは:
都市から過疎地などの条件不利地域に移住し、地域のPRや、農林水産業への従事、住民支援などを行いながら、その地域への定住・定着を図る取組です。

横山陽子さんは、空き家バンクの案内や、地域の伝統料理を継承していくためのワークショップ開催などを行っています。

横山陽子さん 2019年に愛知県あま市から飯南に移住しました。愛知在住時代は事務系の仕事をしていたのですが、体調を崩し退職しました。もともと『夫と一緒に田舎で暮らしてみたい』という思いがあったので、移住先探しを始めました。そんな中で松阪市の地域おこし協力隊の募集を知り、さっそく応募したところ、とんとん拍子に話が進んで、すぐ飯南に移住することになりました。私は飯南に拠点を構えていますが、夫は今も名古屋の自転車店で働いていて、半分名古屋・半分飯南に住むという形で暮らしています。

飯島ひろえさんは、2021年10月に地域おこし協力隊になったばかりの方。

飯島ひろえさん 愛知県稲沢市から飯南に移住しました。出身は埼玉県で、転勤をきっかけに愛知に住むことになりました。もともと自然豊かな地域での家庭菜園に憧れがありまして...それと出身地が田舎だったこともあって、自然の景色を見るのも好きなんです。愛知に住んでいた時、たまたまドライブで飯南を訪れ、綺麗な自然の景色に魅了されました。後日、Instagramで地域おこし協力隊の募集があると知り、応募したんです。無事就任できて、引っ越しも完了したので…これから飯南・飯高地域の魅力をどんどん知って、発信していくのが楽しみです!

高杉亮さんは、地域おこし協力隊と、デザイン会社経営の二足のわらじで生活している方。デザイナーとしての知識や経験を活かし、地域のPRを精力的に行っています。

高杉亮さん 2020年10月に愛知県名古屋市から飯南に移住しました。妻の実家が松阪ということもあり、以前から松阪には何度も来ていて、飯南・飯高地域の自然豊かな景色が好きでした。縁あって地域おこし協力隊となり、デザイン会社を松阪に移転させ、テレワークを活用しながら仕事を続けています。

横山陽子さん そういえば、浅田さんはずっと津にいらっしゃるんですか?

浅田政志さん しばらくの間、津を離れていたんですよ。高校までは津にいて、そのあとは大阪の写真の専門学校へ行き、そこから17年ほど東京に。今年(2021年)4月になって、津に戻ってきたんです。

横山陽子さん そうだったんですね。なぜ今年戻ってきたのでしょうか?

浅田政志さん 子育てのため、というのが一番大きいです。子どもは東京で生まれ、幼稚園に入るタイミングで妻と子どもが先に津に戻りましたが、僕は東京での仕事が多かったので単身赴任を続けていました。津で生まれたからか、老後を東京で過ごすイメージがまったくなくて…「いつ僕は津に戻るのかな」って思っていたんです。子育ては津でしたいし。悩んでいたちょうどそのころ、打合せをリモートでできるようになって東京以外の場所に拠点を移して活躍している人も増えてきました。津に戻る追い風を感じましたね。そして、息子が小学生になるタイミングで津に戻ってくることになりました。

2.香肌峡の美しい景色

櫛田川

地域おこし協力隊のみなさんと、香肌峡の美しい景色が堪能できる、櫛田川にも足を運びました。

飯島ひろえさん 香肌峡って、景色がすっごく綺麗ですよね。櫛田川が見える道を通るたび、景色に目が行っちゃいます。

高杉亮さん ここいいですよね。今年の夏頃、仕事に追われて疲れていた時、たまたま香肌峡を通ったんですけど、『あ~…あの川原に椅子を置いて、ぼーっとしたい~』ってなりました(笑)。仕事に行き詰まったら、香肌峡に椅子を持っていって、1日過ごしてみようかと。


「香肌峡に惚れました」松阪の豊かな自然・文化に惹かれて集まった地域おこし協力隊の皆さんに、三重県出身の写真家・浅田政志さんがインタビュー

横山陽子さん 夏は水遊びも良いですよね。私も犬をつれて、よく遊びにきます。

珍布峠

香肌峡は、櫛田川に限らず、美しく幻想的な景観が楽しめるスポットがたくさん。珍布(めずらし)峠は、飯高と和歌山を結ぶ旧和歌山街道沿いにある歴史ある峠で、伊勢の天照大神(あまてらすおおみかみ)と春日の天児屋命(あめのこやねのみこと)が峠でばったり出会い、「おお、めずらしや」と言ったことが名前の由来ともいわれています。雰囲気ある景色と、神話にちなんだエピソードが相まって、より神秘的です。

今回地域おこし協力隊の皆さんにインタビューを行ったサテライトオフィスは、珍布峠のすぐそば。のれんにも「珍布」の文字がデザインされていますね。サテライトオフィス内には、レンタルオフィスが3室、会議などに使用できるコワーキングスペースや、キッチンスペースがあります。エアコン完備でWi-Fiや光ファイバー回線も整っており、テレワークやリモートワークにも最適ですね!

サテライトオフィスレンタル費用は各部屋・月額10,000円+光熱水費等。詳細はこちらよりご覧ください。

3.地域おこし協力隊として今後取り組んでいきたいこと

浅田政志さん みなさんはこれから、地域おこし協力隊としてどんな活動をしていく予定ですか?

高杉亮さん 私は、古民家を食堂にして、人が集まれる場所を作る予定です。ほかの地域においても同様かもしれませんが、高齢化や、地域に若い人材が根付かないことが課題だと感じていて、私が地域おこし協力隊として関わっている地元の飯南高校の生徒たちも、卒業したら飯南とは疎遠になってしまうことが多いようです。もともと地域外から通っている生徒も多くいるので、なおさらかもしれません。生徒たちが卒業後も飯南・飯高地域に残ったり、関わったりしてもらえるようにしていきたいです。

横山陽子さん 私は、飯南・飯高地域独自の「こんにゃく作り」の継承に力を入れています。昔は各家庭でこんにゃく芋を育てて、正月に食べるというのが習慣だったようですが、今は衰退の一方で…。たくさんある耕作放棄地を何とかして使えないかな、と考えています。

浅田政志さん こんにゃく作り、気になる!どんなこんにゃくなんですか?

横山陽子さん 飯高の奥の波瀬という地域で、88歳のおばあちゃんが作ってるこんにゃくを食べたのですが、刺身で食べてもこんにゃく特有の臭みもなく「こんなこんにゃく食べたことない!」っていうくらい美味しいんです。一般的には消石灰(水酸化カルシウム)などを使用して固めるのですが、この地域では、えごまを燃やした灰に、お湯をかけた灰汁で固めるので、特有の臭みがなくなります。飯南・飯高地域のこんにゃくが無くなってしまわないように、松阪や伊勢でワークショップを開いて、広める活動を行ってます。

飯島ひろえさん 私は、SNSだったりYouTubeでの発信を担当していこうかなと考えています。

浅田政志さん YouTuberとして飯島さんの活躍が見れるかも。

飯島ひろえさん かもしれません(笑)。まだ企画を練っている段階で、どうやって発信していこうかな?とワクワクしています。

浅田政志さん 僕も地域のPRでいろんなところによく行くのですが、「地域の外から来た人は新鮮さや魅力を感じるけど、地域の中にいる人は当たり前と思っている」ものがあって。よそ者の視点をうまく使って、さらに、まちを盛り上げられると素敵ですよね。あとは、ご自身も楽しみながら、ここでの生活を享受し発信していくことが大切かも。僕が取り組んでいる写真もそうですけど、自分が楽しむことがまずは大事だなと思っていて。自分自身が満喫しているからこそ、その姿から伝わるものがあると思います。だから、いろんなことに興味をもって、是非、楽しんでください!

4.浅田政志さん撮影写真

香肌峡の自然豊かな景色に惚れ込んで移住をしてきた地域おこし協力隊のみなさん。ビシッと決まったポーズから、「松阪を盛り上げるぞ!」と意気込みを感じます!

記事制作:MSLP

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