

いよいよ開催伊勢神宮・式年遷宮 「御樋代木奉迎送行事」
掲載日:2025.06.04
伊勢神宮遷宮へ向け、 三重県内6市町で6月に奉迎行事
伊勢神宮の式年遷宮のはじまりを告げる神事、御樋代木奉迎送行事(みひしろぎ ほうげいそうぎょうじ)が、令和7年 6月8日(日)〜10日(火)にかけて、三重県内の桑名・四日市・鈴鹿・津・松阪・明和を巡って行われます。1300年前の飛鳥時代から続く、20年に一度の神聖な行事です。
道中の各地では奉迎祭や祝賀行列が行われ、石取祭の祭車や郷土芸能など、地域ごとに趣向を凝らした催しが予定されています。古から続く儀式と賑やかな祭りの熱気を同時に味わえる、またとない3日間。ぜひこの機会に足を運び、伊勢遷宮の始まりを間近で体感してみはいかがでしょうか。
御樋代木奉迎送行事(みひしろぎ ほうげいそうぎょうじ)とは?

20年に一度の伝統行事
伊勢神宮では、20年ごとに「式年遷宮(しきねんせんぐう)」という大切なお祭りが行われます。神さまに新しい社殿へおうつりいただくにあたり、御神体を納める特別なうつわ「御樋代(みひしろ)」も新しくつくられます。
この御樋代をつくるために使われる、最も重要な木材が「御樋代木(みひしろぎ)」です。御樋代木は、天皇陛下にお定いただきました「御杣山(みそまやま)」(長野県と岐阜県にまたがる山)から、特別に選ばれて伐り出されます。全部で一万本をこえる御用材の中でも、最初に伐る一本が御樋代木であり、「御祝木(おいわいぎ)」や「御神木(ごしんぼく)」とも呼ばれ、特別なものとされています。
この御樋代木を伊勢神宮まで運ぶ道のりで、御樋代木が通る市町でお迎えやお見送りの神事が行われます。これが御樋代木奉迎送行事です。20年に一度のこの機会に、あなたも見物してみませんか?
コラム
式年遷宮とは?
式年遷宮(しきねんせんぐう)は、20年に一度、伊勢神宮の社殿や神宝などをすべて新しく整え、大御神を新たなお宮へお遷りいただく、神宮最大のお祭りです。690年に始まり、現在は第63回(令和15年)へ向けて準備が進行中。遷宮は「御用材の調達」「社殿の造営」「神さまの遷御」の三段階で行われ、御樋代木奉迎送行事はその始まりを告げる重要な儀式です。
各地の行事のご紹介

御樋代木奉迎送行事が行われ、私たちが見学できるのは桑名・鈴鹿・津の3ヶ所です。いずれも当日は周辺の駐車場はいっぱいになると思われますので、なるべく公共の交通機関をご利用ください。
尚、四日市市では中央緑地公園付近を通過するときに、歓迎の国旗小旗を振ってのお迎えとお見送りが行われます。松阪市・明和町でも歓迎の国旗小旗を振ってお迎えとお見送りが行われます。
コラム
6月8日夕刻〜 桑名宗社(春日神社)
2025年(令和7年)6月8日17時ごろ、桑名市の住吉神社付近を出発する御樋代木奉迎送行事は、神宮式年遷宮に欠かせない御神木を曳く荘厳な儀式です。曳行コースは七里の渡し跡から旧東海道を通り、桑名宗社まで約500メートル。事前に申し込んだ1,500名が法被姿で綱を握り、御樋代木を積んだトラックの先頭を曳いて進みます。当日は、神社周辺では桑名の夏を彩る石取祭の祭車も登場し、賑やかにお出迎えします。なお、周辺では交通規制もあり、通行止めとなる箇所もあるのでご注意ください。
コラム
6月9日 神館飯野高市本多神社(神戸宗社)
鈴鹿市では、6月9日(月)の午前中、市の中心部・神戸(かんべ)地区を舞台に、荘厳な曳行と歓迎神事が行われます。午前9時ごろには、御樋代木を載せた奉曳車が神戸宗社に到着。境内では奉迎祭が斎行され、よさこいや獅子舞の披露も予定されています。その後、奉曳車は約500メートルの道のりを、お木曳として鈴鹿市役所前まで進みます。さらに、お見送り行事として、神戸石取祭の祭車8台による迫力ある「総叩き」も行われます。また、同日にはおもてなしイベントとして「KAMBE COFFEE STREET」などの出店も並びます。鈴鹿市では今回が初となる、まさに「歴史的瞬間」をぜひ目撃してください。
なお、当日は午前8時半から午後2時ごろまで、神戸本通り(神戸6丁目〜市役所前)が通行止めとなりますので、ご注意ください。
コラム
6月9〜10日 三重縣護國神社
津市では6月9日(月)から10日(火)にかけて、三重縣護國神社を中心に迎送行事が執り行われます。9日(月)午後からお奉曳車が国道23号(上浜二丁目交差点から栄町二丁目交差点)を約1kmにわたって曳行されます。沿道では市民による小旗や国旗での歓迎が予定され、よさこいや郷土芸能によるパレードが行われます。その後、御樋代木は三重縣護國神社の境内へと運ばれ、夕刻より奉迎祭が行われ郷土芸能奉納などがあります。御樋代木はこの夜、神社に一泊します。翌10日の朝には奉送祭が執り行われ、御樋代木は伊勢へ向けて再び出発。なお、行事にともない交通規制が実施されます。9日13時から16時までは国道23号の一部区間(東側2車線)が通行止めとなり、また、三重縣護國神社の駐車場も9日正午から10日午前9時半頃まで利用できません。期間中の通常の祈祷も停止されるのでご注意ください。
伊勢は奉迎奉曳(ほうげいほうえい)の行事が行われます
桑名、鈴鹿、津を経て奉送された御樋代木が伊勢に到着すると、「令和のお木曳行事」の一環として奉迎・奉曳の神事が行われます。伊勢神宮の式年遷宮は、知れば知るほど奥深い行事。今後も目が離せませんね。
【令和のお木曳行事 日程概要】
第六十三回 神宮式年遷宮にともなう お木曳行事は、3年にわたって行われます。
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令和7年(2025年)6月8日~10日
御樋代木(みひしろぎ)奉迎・奉曳行事
→ 木曽の御杣山(みそまやま)で伐採された御神木が、桑名・四日市・鈴鹿・津・松阪・明和を通って伊勢へと曳き入られます。 -
令和8年(2026年)4月中旬
御木曳初式(役木曳)
→ 市民による本格的なお木曳行事の始まりを告げる儀式です。 -
令和8年(2026年)5月上旬~8月上旬
第一次お木曳行事
→ 伊勢市街を中心に、御用材の曳行が本格 -
令和9年(2027年)5月上旬~8月上旬
第二次お木曳行事
→ 引き続き、内宮・外宮の造営のための材木が市民の手で曳かれます。