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名松線で美杉町を巡ろう!撮影スポットや観光モデルコースをご紹介

掲載日:2022.02.08

名松線は松阪市〜津市美杉町を結ぶ鉄道で、車窓からは四季折々の景色を眺めることができます。この記事では名松線の歴史や撮影スポット、パーク&ライドでの楽しみ方や観光モデルコースをご紹介!

三重を撮る写真家「ふがまるちゃん」と相方の「ちゃむ」が三重をもっと好きになる情報をお届け。今回は秘境を巡るローカル線「名松線」をテーマにした記事です。

▼目次

ふがまる 名松線(めいしょうせん)は自然豊かな地域を走るJR東海の路線。山を越え、川を越える姿はまさに秘境のローカル線!

ちゃむ この記事は名松線の魅力を知ることができる情報が満載!沿線の美しい景色や撮影スポットも紹介しますので、最後までぜひご覧ください。

名松線を知ろう

名松線の由来や歴史、乗車区間や運賃、時刻表など、名松線の基本情報を紹介します。

名松線とは

名松線はJR東海の路線であり、松阪駅から伊勢奥津駅までの43.5kmを結ぶ鉄道。急行・特急などの車両はなく、終点までの区間を片道約80分でのんびり走ります。

「名松線」の由来

松阪から名張(なばり)を結ぶ計画だったので名松線と名付けられましたが、競合する鉄道の開通などの理由から、津市(当時の一志郡八幡村)の伊勢奥津駅が終点になりました。

台風災害で廃止の危機

平成21年の台風被害で鉄道路線が一部休止になる期間がありました。利用者の少ない路線なので廃止の危機が迫ったのですが、復旧の署名活動が実を結び、県・市・JR東海の資金協力で平成28年に全面復旧しました。

当時の署名活動を行った津市自治会連合会が母体となった「名松線を守る会」は、名松線の利用促進のため、沿線の草刈りなどの環境整備といったボランティア活動を続けています。

市民団体「名松線を元気にする会」も廃線の危機が訪れないよう、名松線の活性化活動を行っており、また、三重県立白山高等学校では、「名松線勝手に応援団」 というプロジェクトを立ち上げ、名松線のPRを行っています。

路線図

津市美杉町から松阪市まで15駅ある路線で、津市内に12駅、松阪市内に3駅あります。

ちゃむ 伊勢と付く駅名が7駅もあるのが特徴です。伊勢鎌倉駅は鉄道ファンの間で、秘境駅と呼ばれています。

時刻表・運賃

    ※2022年1月現在の時刻表です。
    ※ダイヤ変更にご注意ください。

松阪駅から終点の伊勢奥津駅まで片道860円です。1駅間の料金は距離によって変動し、およそ190円前後。

時刻表をご覧頂くと、約2時間に1本の間隔で運行しています。上下線の時刻を混同しないように注意しましょう。

ふがまる 終点の伊勢奥津駅は18時58分が終電なので、覚えておくと安心です。

名松線の風景

沿線は四季折々の景観が広がり、風光明媚なローカル線としても注目されています。名松線の風情あふれる鉄道風景をご覧ください。

鉄道等の撮影に際しての注意事項
① 線路に立ち入っての撮影は危険ですのでやめましょう
② 駅ホームや踏切から線路側に身を乗り出すのは危険ですのでやめましょう
③ 私有地での撮影は許可を得たうえで行いましょう
④ 住民や歩行者、車に配慮・注意して撮影を行いましょう
⑤ 撮影中に出たゴミは必ず持ち帰りましょう

権現前駅~伊勢八太駅(田んぼ)

権現前駅~伊勢八太駅の沿線は田園風景が広がり、7月〜8月は草原を走るような鉄道風景が見られます。

撮影日:2019年7月21日 15時21分
設定値:F6.3・184mm・1/500秒・ISO200

ふがまる 8月下旬頃から稲穂が黄金色に色づき、名松線×稲穂の風景も絵になりますよ♪

一志駅〜井関駅(彼岸花)

線路沿いに彼岸花が無数に咲く撮影スポットが一志駅〜井関駅の区間にあります。

撮影日:2018年9月22日 15時30分
設定値:F11・106mm・1/320秒・iso100

ふがまる 名松線×彼岸花を撮影するならココ!なのですが、ここ数年は彼岸花の開花が減少。今年はたくさん咲いているといいなぁ...

伊勢川口駅〜関ノ宮駅(田園風景)

田園風景と木造家屋が広がる区間。線路のすぐ近くに歩道があるので、名松線の車両を間近で眺めることができます。

撮影日:2019年8月5日 17時47分
設定値:F11・300mm・1/500秒・ISO1000

ふがまる 入道雲を背景に列車を撮影したいな・・・と思い、見つけたのがこの区間。木造建築の家々が広がるので、ノスタルジーな雰囲気にもなりました。

家城駅〜伊勢竹原駅(紅葉)

名松線は雲出川を幾度も鉄橋で渡る路線で、特に家城駅周辺の河川敷は自然豊かなロケーションです。

撮影日:2018年11月18日 12時23分
設定値:F11・106mm・1/320秒・iso100

ちゃむ この場所は家城ラインと呼ばれ、ゴツゴツした岩がたくさんある渓谷です。秋は名松線×紅葉を撮れますよ。

家城駅〜伊勢竹原駅(桜×リフレクション)

水面に映る桜並木と列車は絵に描いたような美しさ。雲出川で川遊びやキャンプができる真見河川公園、リバーパーク真見の桜並木と列車を撮影した1枚です。

撮影日:2019年4月7日 7時57分
設定値:F8・50mm・1/640秒・iso250

ふがまる 朝7〜8時は強風になりにくく、水面に映る光景(リフレクション)を撮りやすい時間帯です。

伊勢竹原駅〜伊勢鎌倉駅(茶畑)

美杉町竹原地内にある茶畑のそばから撮影した1枚。列車の背後には、のどかな風景が広がります。※撮影の際は茶畑の中へ入らないようにしましょう。

撮影日:2018年5月4日 12時37分
設定値:F8・40mm・1/320秒・iso200

ふがまる これぞ美杉!といえる光景がここだと思います。この写真と同じ構図の巨大ポスターが道の駅美杉に飾られています。私の名松線撮影はその巨大ポスターを見たのがキッカケで始まりました。

伊勢鎌倉駅(鉄橋 × 川)

伊勢鎌倉駅の近くで撮影した1枚。川にかかった鉄橋を走る列車がとても絵になります。緑の山々と澄んだ川のロケーションは秘境を走る名松線ならではの雰囲気です。

撮影日:2019年4月29日 13時26分
設定値:F8・28mm・1/500秒・iso3200

ちゃむ 鉄橋に近づいて撮影できるので、列車が目の前を通過するのは迫力満点!鉄道好きのお子様をここへ連れてきたら、大喜びするかも?

伊勢八知駅〜比津駅(紅葉)

「名松線×紅葉」で美しく撮れるのが伊勢八知〜比津駅の区間。雲出川が隣接する県道15号の歩道から撮影しています。

撮影日:2019年11月17日 15時18分
設定値:F6.3・87mm・1/250秒・iso1600

ふがまる トンネルから列車が出てくる瞬間を撮影しました。上り線(松阪方面行き)の列車を撮ると、ヘッドライトが光ってカッコよく映りますよ。

比津駅(ミツマタ)

美杉町石名原にはミツマタの名所があるのですが、そこよりも先にミツマタの見頃を迎えるのが比津駅の線路沿いです。黄金に輝くミツマタとノスタルジーな駅舎が画になります。

撮影日:2020年3月17日 13時09分
設定値:F2.8・131mm・1/1250秒・iso100

ふがまる 比津駅の踏切を越えた先にある坂の歩道から撮影しています。手前のミツマタをぼかしているのがポイント♫

伊勢奥津駅(SL給水塔×花桃×桜)

終点の伊勢奥津駅には、かつて蒸気機関車が走っていた名松線のなごりであるSL給水塔が保存されています。その周辺には桜と花桃の木があり、4月上旬ごろには紅白に咲き乱れる美しい姿を魅せてくれます。

撮影日:2018年4月7日 16時59分
設定値:F5.6・285mm・1/100秒・iso100

ふがまる SL給水塔がノスタルジーな雰囲気を引き立ててくれます。伊勢奥津駅近くの踏切の外から超望遠レンズを使って撮影しています。

伊勢奥津駅(SL給水塔×青空)

伊勢奥津駅のSL給水塔の近くで撮影した1枚。鋼製のSL給水塔が現存するのは日本全国で三箇所だけなので、とても貴重な光景です。

撮影日:2020年6月2日 12時55分
設定値:F6.3・45mm・1/400秒・iso200

ふがまる 以上名松線の撮影スポットを11箇所ご紹介しました。撮影するだけでなく、現地でお土産を買ったり、お食事をしたり、パーク&ライドで名松線に乗車するなど、観光もぜひ楽しんでくださいね♫

名松線で観光を楽しむ

ここからは名松線に乗って観光を楽しむパーク&ライドをご紹介!サイクリングで美杉町を観光するモデルコースも紹介します。

パーク&ライドとは

パーク&ライドとは、自宅から最寄りの駅やバス停まで自家用車で行き、駅付近で車を駐車させた後、公共交通機関に乗り継ぐ方式のことです。

津市ではパーク&ライドでの名松線利用を促進しており、駅最寄りの駐車場を無料開放しています。

パーク&ライド目的で無料利用できる駐車場は下記のとおりです

① 一志庁舎南側駐車場(10台)地図はこちら
② 白山庁舎内駐車場(6台)地図はこちら
③ 伊勢八知駅前駐車場(90台)地図はこちら
④ JR伊勢奥津駅の駐車場(11台)地図はこちら

パーク&ライドで名松線を楽しもう

パーク&ライドで名松線に乗車した様子をご紹介!車窓から眺める美しい風景の数々をご覧ください。

① 駐車〜整理券の受け取り

車を一志庁舎南側駐車場に停め、一志駅からパーク&ライドをスタート!

名松線は始発の松阪駅と家城駅以外は無人駅のため、車内で整理券を受け取って乗車します。

② 乗車〜車窓からの景色を楽しむ

一志駅〜終点の伊勢奥津駅まで約1時間の列車旅を楽しみます。車窓からは緑美しい田園風景と青空が目に入ってきます。

ふがまる 名松線は車窓からの眺めを楽しめる観光列車でもあります♫

③ 家城駅で上下線の入れ替え

一志駅から約30分ほど乗車して家城駅に到着。名松線は線路が1本だけの単線のため、ここで上下線の入れ替えが行われます。

ふがまる 上り線が発車するまで10分ほど時間があったので、列車から一旦降りて、2車両が並ぶ光景を撮影。こういった光景を間近で見られるのは名松線ならでは♫

④ 車窓から眺める清流

家城駅を出発すると、車窓からは雲出川の清流が何度も目に飛び込んできます。

ふがまる 視点の高い場所から雲出川を眺められるのは名松線ならでは。列車に乗ることで、美杉町の美しい景色に改めて気づくことができました。

⑤ 終点の伊勢奥津駅に到着

伊勢奥津駅は木の温もり溢れる駅舎で、どこか懐かしさも感じる雰囲気です。

時間の許す限り、美杉町の町歩きをたっぷり楽しむ旅へ出発!

ふがまる 帰りの乗車時刻を確認してから行動しましょう。名松線は運行本数が少ないので、1本逃すと約2時間後の乗車になります。

美杉町をサイクリングで巡るモデルコース

伊勢奥津駅からスタートして、美杉町をサイクリングで巡るモデルコースをご紹介!電動アシスト付自転車を借りて、神社や街道巡りを楽しみます♫ レンタル料金はなんと無料!

① 観光案内施設「ひだまり」で電動アシスト付自転車を無料レンタル

伊勢奥津駅の隣にある「津市伊勢奥津駅前観光案内交流施設 ひだまり」で電動アシスト付自転車を無料レンタルできます。

電動アシスト付自転車の貸出について
① 対象年齢は小学4年生以上 (小学生は保護者同伴)
② 水曜日は八幡出張所での貸し出しになります
※ 詳細は津市美杉白山レンタサイクルのページをご覧ください

今回のモデルコースは伊勢本街道を通りながら、北畠神社を目指す往復3時間ほどのサイクリングになります。

今回は伊勢本街道で旧宿場町の風情を楽しみながら、道中の大自然を満喫して、北畠神社の美しい日本庭園を鑑賞するプランです。

ふがまる 赤色のボディがカッコいい自転車で、乗り心地は抜群!電動アシストなので、長距離移動による足の負担を軽減できます。

「津市伊勢奥津駅前観光案内交流施設 ひだまり」には美杉町の特産品やお弁当を販売するコーナーがあり、購入したものは施設内の休憩スペースで食べることができます。

ちゃむ 私は「名松線弁当」を購入してお昼にしました♫ このお弁当は、地元・久居農林高校がプロデュースしたもので、地元の食材を使った惣菜が入っています。

ふがまる 腹ごしらえを終えたところで、サイクリングの旅へ出発です。伊勢奥津駅から約1分ほど進むと、伊勢本街道に出ます。

③ 雲出川の上流を眺める

伊勢本街道を散策すると、川のせせらぎが聞こえてきました。音を頼りに道を進むと、エメラルドグリーンに輝く美しい川を発見!

ここは雲出川の上流で、透明度の高い清流を眺めることができます。

ふがまる 気になった場所に、ふらっと立ち寄れるのが自転車旅の良いところです。伊勢本街道に戻って、目的地を目指します。

④ 旧宿場町の町並みを散策

伊勢奥津駅〜北畠神社までの道中には、伊勢本街道が賑わっていた頃の宿場町の歴史を感じる町並みを見ることができます。

ちゃむ 歴史情緒あふれる町並みを歩くと、タイムスリップした気分になります

⑤ 北畠神社

伊勢奥津駅から自転車で30分ほど移動して北畠神社に到着。境内に入ってすぐ、朱色が美しい社殿が見えてきました。まずはここで参拝をして、旅の安全祈願を行います。

北畠神社は初代伊勢国司として南北朝時代に南朝に尽くした北畠顕能を主神に祀り、境内には国指定の名勝「北畠氏館跡庭園」があります。

ふがまる 北畠氏館跡庭園への入園は有料となっており、社務所で300円を奉納してから入園します。

北畠氏館跡庭園は室町時代、伊勢国司北畠晴具の義父の管領細川高国が作った「池泉鑑賞式」の庭園で、日本三大武将庭園のひとつです。

ふがまる 訪れたのが6月だったので、庭園には緑美しい光景が広がっていました。11月は真っ赤に色づく紅葉を観賞できます。

ちゃむ サイクリングコースはここまで。帰りの列車に間に合うように来た道を戻りましょう。

いかがでしたでしょうか

名松線と美杉町の魅力を写真撮影・パーク&ライド・サイクリングの3本立てでお送りしました。

美杉町は大自然あふれる町なので、日常の喧騒を忘れてリフレッシュできます♫

名松線に乗って、美杉町へぜひお越しください。大自然とのどかな町並みがあなたを癒やしてくれます。

美杉町の観光スポット

美杉町の観光スポットを他にもご紹介!各スポットごとに伊勢奥津駅からの距離を記載していますので、旅の参考にどうぞ。

三多気の桜
三多気の桜
500本余りのヤマザクラ並木道が真福院(しんぷくいん)の参道まで約1.5kmに渡って続きます。伊勢奥津駅からの距離は約4.5kmです。
君ヶ野ダム
君ケ野ダム
美杉町八手俣(はてまた)にあるダム湖で、春は約1500本の桜がダム湖を覆うように咲き乱れます。伊勢奥津駅からの距離は約18kmです。
ミツマタ群生地
ミツマタ群生地
ミツマタ群生地は美杉町石名原の森の中にあり、山の斜面にミツマタが広がる光景を眺めることができます。伊勢奥津駅からの距離は約2.2kmです。

ふがまるちゃん(撮影・記事制作)

観光三重のみえ旅カメラ部に所属し、三重を撮る写真家としてTwitterInstagramを中心に活動中。三重の風景を無料配布する三重フォトギャラリーと三重の旬な情報を発信する三重のええとこ巡りを運営。

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