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日本の原風景が残る絶景「丸山千枚田(まるやませんまいだ)」。カメラを持って出かけてみませんか?

掲載日:2023.04.07

現在でも1,340枚もの田んぼがあり、日本最大級の規模を誇る棚田「丸山千枚田」。その景観は日本一と称されています。自然と見事に調和したこの風景は、自然に優しく共存共栄してきた日本の伝統的なふるさとの風景。四季折々・日々の時間帯によって様々な景色が楽しめます。是非、カメラを持って撮影の旅に出かけてみませんか。

丸山千枚田(まるやませんまいだ)は、熊野市紀和町(きわちょう)丸山地区にある白倉山の南西斜面に広がっています。
「なぜこんな山奥に壮大な棚田が?」と思うような奥深い土地にあるため、昔、落ち武者などが逃げ隠れ、潜んでいた時に徐々に開拓をしていったのではないかと言われているそう。

そのため、人工物でありながら、周りの自然と調和した日本の原風景を様々な季節・時間で楽しむことができます。

この丸山千枚田、約400年前には、何と2,240枚もの田畑があったという記録が残されています。法面(のりめん)は、西日本に多く見られる野面積み(のづらづみ)を主とした石積み。
すべて人の手で積み上げられたと考えると圧巻の風景です。

平成初期には後継者不足などが原因で530枚まで減少してしまったのですが、この貴重な文化遺産を無くしてはならないと地元住民が「丸山千枚田保存会」を結成し、復元と保全活動を行っています。

復元した田んぼを利用した「丸山千枚田オーナー制度」もあります。
オーナーになると、昔ながらの手作業による田植えや稲刈りといったイベントに参加ができます。また、イベントに参加出来ない方でも、稲刈り後は獲れたお米を送っていただけます。
この素晴らしい原風景を守るために是非あなたもオーナーになってみてはいかがでしょうか?

オーナー制度の詳しい情報は熊野市ふるさと振興公社

それでは日本の棚田百選にも選ばれた丸山千枚田の四季折々の美しさを枕草子をモジりながらご紹介いたします!

(写真:©熊野市観光協会)

春は夕暮れ。田植え前の水をはった田んぼに映り込む、美しい夕映え。満月の夜も良し。 

日没後30分がベストタイムということです。

さらに満月の夜には『田ごとの月』と言われる、月が田んぼを移動していく様子を楽しむことが出来ます。
この景色は、田植え前の水で満たされた時期しか見ることが出来ません。

田植えは4月中旬から5月下旬頃。小さく機械を入れることが出来ない田んぼは、今でも手作業で田植えを行っています。1,340枚もあるため、すべての田んぼに稲が植え終わるまでには、かなりの時間と労力がかかります。

この時期になると、水をはった田んぼにはおたまじゃくしやタニシ、とんぼやイモリといった様々な昆虫類も観察することができます。

(写真:©熊野市観光協会)

夏は日の中。青々とした稲穂の絨毯がざわざわと風に揺れる。闇夜は闇夜でまた素晴らしい。

夏、徐々に穂先の伸びた稲穂が、水鏡のようだった棚田を全く別の姿へと変えてゆき、懐かしい里山の風景を楽しむことができます。

人工的な灯りがほぼなく、新月の夜には満点の星空に天の川を見ることもできます。
本当に真っ暗なので、足下には十分にお気をつけください。

あじさいといった季節の花や最近では珍しい蛍など、この時期ならではの自然も楽しめます。

千枚田の一大イベント『虫おくり』。

農薬が無かった時代、害虫対策のため、寺からお札をもらい、松明と太鼓・鐘などを手に持って千枚田の中を練り歩き、火と音で害虫を追い払っていたのが始まり。一時は途絶えてしまったのですが、熊野古道の世界遺産登録を機に復活。この日は全国から多くの人が訪れます。

1,340個の灯りとともに、松明や提灯を持った虫おくりの行列の灯りが闇夜に浮かび、その幻想的な光景には息をのみます。
※2023年度の『虫おくり』は未定です。詳細は熊野市の公式サイトでご確認ください。

(写真:©熊野市観光協会)

秋はあけぼの。豊かに実った稲穂に朝日が差し込み、黄金色に輝く棚田もまた絶景。

また、冷え込みが強くなる10月中旬以降、雨上がりの寒い日なら、朝の6時半から7時半頃に、運が良ければ棚田と雲海という神秘的な景色を見ることができます。
雲海が棚田の山間から溢れ流れ出す『風伝(ふうでん)おろし』、このなかなか見ることが出来ない現象を写真に収めようと何泊もしている方もいらっしゃるとか。

(写真:Ⓒ(一財)熊野市ふるさと振興公社)

 

お彼岸の時期に見られる、真っ赤な彼岸花と青々とした田んぼのコントラストも写真映え間違いなしです。

そして、秋のもう一つの見所が『案山子(かかし)』。
毎年、案山子(かかし)コンテストに応募された様々な案山子が田んぼに賑わいを作ります。個性的なものも多く、案山子を見て歩くだけでも楽しい。

冬はつとめて。真冬の凍るような空の下、粛々と春を待つ姿も趣深い。

滅多にないのですが、雪が積もった真っ白な棚田を見ることが出来ることもあります。

また、12月には熊野古道トレイルランニングレースと言って、熊野古道をはじめ、丸山千枚田・赤木城跡・ツエノ峰の雲海・瀞峡(どろきょう)・布引(ぬのびき)の滝など、次々現れる絶景を楽しみながら走るマラソン大会があり、カメラ片手に撮影を楽しみながら参加される方も多数いるそうです。

※開催の有無は公式サイトでご確認ください。

2月になると畦そりを行うため、一つ一つの田んぼの輪郭がくっきりと見え、誰もが思い浮かべる『ざ・棚田』を写真に収めることが出来ます。

このように様々な景色を楽しむことが出来る丸山千枚田。そろそろ行ってみたくなってきましたか?
アクセスがかなり難しいので、ここからは行き方のご案内。

高速道路がつながり、かなり時間が短縮されました。名古屋からは東名阪自動車道 と 、伊勢自動車道、紀勢自動車道 経由で約3時間。
紀勢自動車道の終点、尾鷲北(おわせきた)ICで降りて、倉ノ谷(交差点) を右折して 国道42号に入り、尾鷲南IC入口(交差点)を右折して熊野尾鷲道路に入り終点まで進みます。

(写真:Ⓒ(一財)熊野市ふるさと振興公社)

熊野尾鷲道路終点の熊野大泊(くまのおおどまり)ICを左折し、国道42号線を走っていると、日本百景の1つ、国の名勝及び天然記念物に指定され、世界遺産にも登録されている景勝地「鬼ヶ城」の看板がみえてが見えてきます。

こちらも絶景の写真映えスポットですので、途中寄り道してみてはいかがでしょうか。

鬼ヶ城から国道42号線を車で走ること約10分、右手に黄色い看板の台湾料理のお店やコスモ石油が見えてきます。

そこから2つめの信号(立石南(たていしみなみ)交差点)を右折、国道311号線に入ります。

木々に囲まれた国道311号線をひたすら道なりに紀和に向かって進みます。

しばらく走っていると、案山子がお出迎え。

いくつかのトンネルを抜け、右手に紀州犬のふるさとの看板を見つけたりして、まだかなぁ~と走ること約15分。

風伝(ふうでん)トンネルを抜けた先に丸山千枚田の看板を発見。右折し、県道40号線にはいります。
こちらからだと丸山千枚田の頂上へ向かいます。
万が一通り過ぎてしまっても大丈夫。この先に、丸山千枚田の下から登っていく道がまだあります。

山道をしばらく登っていくと、カーブを曲がったところに丸山千枚田の看板と2~3台分の駐車スペースが出てきます。
一瞬通り過ぎてしまいそうになりますが、車が止まっていることも多いので、ゆっくり走っていれば大丈夫かと思います。

ここからは棚田全体を見渡すことが出来ます。

さらに走ること2~3分。
左手に案内板が。ここから少し先に行ったところで、棚田の中に降りていくことができます。

右手に丸山千枚田の道しるべもあります。

(写真:Ⓒ(一財)熊野市ふるさと振興公社)

降りていく途中の東屋。撮影スポットの一つです。

駐車スペースも3~4台分有ります。

棚田中腹にある東屋。きれいなトイレも完備されています。
駐車スペース4~5台。
こちらに駐車して棚田の中を散策することが可能です。
地元の皆様が丹精込めて手入れをし守り続ける美しい棚田。この景観を守り続けるために、皆様もゴミの持ち帰りなど景観維持のご協力をお願いいたします。
また、風の音、虫の音など自然の音に耳を澄ませ、静かに過ごすのも心安らぐ丸山千枚田オススメの過ごし方。騒音にもご注意をお願いいたします。

季節の移ろいとともに様々な美しさを楽しむことができる丸山千枚田。

まさしく日本が誇る古き良き棚田と呼ぶにふさわしい場所です。
年間を通して多様なイベントも催されていますので、一度はぜひ訪れて、その素晴らしさを直に感じていただければと思います。

名称

丸山千枚田

住所
熊野市丸山
電話番号

0597-97-1113

駐車場

無料駐車場あり

公共交通機関でのアクセス

JR熊野市駅から車で約30分

車でのアクセス

熊野大泊ICから車で約40分

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