あなたにおすすめコンテンツ

いつきのみや梅まつりのクライマックスは、梅林を背景に斎王登場!親子で楽しめるイベントで「雅」に魅了されてきました。

掲載日:2018.03.30

「いつきのみや梅まつり」は毎年2月末から3月の初めに、明和町の斎宮歴史博物館の南にある梅林の見ごろに合わせて開催されます。熱気球のフライト体験や、ゆるキャラとのふれあい、ステージイベントなど親子で楽しめるイベントも満載です。クライマックスには斎王が登場し、息を飲むような華麗な姿を見ることができます。

毎年2月末から3月の初め、明和町の斎宮歴史博物館の南にある梅林の見頃に合わせて開催される「いつきのみや梅まつり」。
第14回を迎えた今年は3月3日(土)、春の訪れを感じさせる快晴の中で開催されました。

広い芝生広場にはイベント開始前から大勢の人たちが訪れていました。
向こうには熱気球の姿も特別企画で「熱気球係留フライト体験」が開催されています。5分間の空中散歩が楽しめます。

会場にはいか焼き、たこ焼きといったおまつりの定番から地元明和町の特産品や地場野菜までさまざまな販売テントが並んでいます。
どんなお楽しみが待っているのかワクワクしますね!

“ゆるキャラ”たちも応援に駆けつけてくれています。こちらは明和町のマスコットキャラクター「めい姫」。
他にも伊勢市の「伊勢まいりんくん」や、玉城町の「玉夢(たーむ)」など南勢エリアの人気者たちが会場内に出没し、子どもたちを楽しませてくれていました。

特設ステージでは太鼓やチアダンスなど、さまざまな演目が披露されます。
地元の小学生たちが梅林をバックに披露するのは「斎王の舞(いつきのまい)」。雅な調べの中、凛とした姿が素敵です。張り詰めた中にも華麗な雰囲気を漂わせる舞に、熱心に練習を重ねてきたことが窺われます。

毎年6月には「斎王まつり」が賑わいを見せるなど、特に明和町の人にとってはなじみ深い「斎王」ですが、ご存じない方もいらっしゃるかもしれません。
その昔、天皇に代わって伊勢神宮の天照大神に仕えるために都から特別な皇族女性が伊勢に派遣されていました。それが斎王という存在。その斎王が暮らしていた場所がここ斎宮なのです。天武天皇(670年頃)の時代から記録に残っています。

まつり会場に隣接する斎宮歴史博物館では当時の斎宮の様子を資料や模型、映像を使って紹介しています。
また、斎宮駅北口の「いつきのみや歴史体験館」では斎王華やかなりし頃の平安時代の文化を体験できる施設で、なかでも十二単の着付け体験が大人気。ちなみに、いつきのみやというのは斎宮の別称です。

「斎王まつり」では毎年選考会で選ばれた女性が斎王役を務め、総勢120名で「斎王群行」を行い、平安時代の王朝絵巻を再現します。そんな華麗な斎王の姿を拝めるのも「いつきのみや梅まつり」の魅力ですが、それはまつりのラストを飾る話。
しばらく会場内を楽しむことにしましょう。

朝から人だかりができていたのは、梅まつり名物「梅の種飛ばし大会」。
梅林の梅から作った梅干しの種を口に含んで、思いっきり飛ばします。
梅まつりを開催するにあたって地元の人たちがどんなイベントをしようかと頭をひねっていたときに、真っ先に決まったのがこの梅の種飛ばし。第1回から実施している人気イベントなのです。

こちらの男性の視線の先、小さな梅の種が空に向かって勢い良く飛び出しているのがわかりますでしょうか?
大会はこどもの部と、大人は男女別に分かれていて、男性部門の優勝記録は10メートル以上!
そんなに飛ばすことができるものなんですね。

子どもたちの歓声が聞こえる方向へ足を向けてみると、可愛らしい動物たちと触れあう姿が。
多気町の「五桂池ふるさと村」からウサギやひよこ、モルモットなど“ふわふわ”したお客さんがやってきていたのです。

おっと、ふわふわしたものたちばかりではありませんでした。

リクガメも子どもたちの人気を集めていました。リクガメは穏やかな性格でペットとしての人気も高いんです。
そんな様子を見守る動物園担当のお兄さんは腕にトカゲを乗せて子どもたちに触らせてくれていました。

木の枝から削り出した柄の長い槌を使って、毬(木の球)を打つ遊び「 毬杖(ぎっちょう)」。
平安時代の様子を記した「年中行事絵巻」には子どもを中心に4~5人が毬杖を楽しんだ様子が描かれています。
「いつきのみや歴史体験館」でも毬杖をはじめ、「蹴鞠(けまり)」やトランプの神経衰弱のような「貝覆い」といった昔の遊びを楽しむことができますよ。

古(いにしえ)の遊びに興じた後は、一転、現代風の遊びも楽しんでみましょう。
ねじを組み合わせてロボットを作る「変形合体ネジー」は三重県生まれのおもちゃ。2体以上を組み合わせると違う形に“変形合体”します。

地元の農産物販売や特産物販売のテントが軒を連ねる中には、バルーンアートづくりもありました。
丁寧に教えてもらえるので親子で協力して作ればこんな大作も15分程で完成させることができます。

会場では手作りの甘酒を振る舞ってくれます。
暖かな日差しとまつりの賑わいの中で味わう甘酒、いつにも増して美味しく感じますね。身体もぽかぽかしてきます。

露店ではたこ焼き、イカ焼きやおでん、みたらしなどお腹を満足させてくれるメニューも揃っています。

お腹が満たされたら、お散歩も兼ねて会場内の梅林見物。
紅梅・白梅合わせて100本あまりの梅の木があり、 知る人ぞ知る名所となっています。
芝生に座って、春風に漂う梅の香りを楽しむ。なんとも風情がありますね。

会場内では5箇所に設置されたクイズを解いて回って素敵な景品をゲットする「斎王クイズラリー」も実施。中には「斎王さんは1年間に何回、伊勢神宮に行ったんでしょうか」という問題も。
答えは伊勢神宮で大切な祭りのある3回。斎王さんはそれ以外1年のほとんどを斎宮で過ごし、神々を祀る日々をおくっていたんです。

会場内を見て回っていると、ステージの辺りが賑やかになってきました。
ゆるキャラたちが「めい姫」を中心にダンスを披露。続いて「斎王の舞(いつきのまい)」も披露された後、いよいよ「斎王」の登場です。

梅林の奥から斎王が静々と近づいてきます。
ベストショットを求めて何時間も前から準備していたカメラマンたちのシャッター音が響きます。
ゆっくりと優美に歩を進め、ようやくステージへ。

さすが、まつりのフィナーレを飾る主役。息を飲むような美しさに魅了されます。

ステージでは伊勢物語第六十九段の「狩の使」を再現。
伊勢の国に狩の使いとして訪れた男(在原業平)と斎王の逢瀬を描いた物語です。歌を詠んだ文を受け、返歌を詠み上げる場面が演じられます。
伊勢物語、言の葉の美しさ、奥ゆかしさに久しぶりに読み返してみたくなりました。

華麗な斎王の姿をレンズに収めようと、大勢の来場者がカメラを向けています。
斎王も向きを左右に変えたりしながら撮影に協力してくれました。
ひとしきり写真撮影の時間を取ってくれた後、斎王はふたたび静々と退場していきます。それを追いかけてカメラを持った人たちも大移動。

「いつきのみや梅まつり」は、明和町で斎宮に関わるさまざまな団体が「斎宮跡観光協議会」として共同で開催しているイベントです。そのとりまとめにあたっているのが明和町観光協会。
東谷泰明会長は盛況の内にまつりが終了してほっと一息。
「14回目を数える中でメンバーたちも顔なじみになってきて、運営もスムーズに回るようになってきました。毎年、子どもさんが楽しめるイベントも多数揃えていますので、ぜひご家族で遊びにきてください」とメッセージをいただきました。
まつりは町の人たちの結びつきを深めることにも一役買っているのですね。

明和町観光協会では「いつきのみやの“春”フォトコンテンスト」を開催しています。斎王の姿を捉えた会心の1枚を応募してみるのもいいですね。


【基本情報】

■開催時期
 3月初め
■開催時間
 10:00~14:00
■会場
 斎宮歴史博物館 ふるさと広場梅林周辺
■住所
 〒515-0325 多気郡明和町竹川503
■電話番号
 0596-52-0055(明和町観光協会)
■料金
 入場無料 ※有料イベントもあり
■公共交通機関でのアクセス
 近鉄「斎宮駅」から徒歩で約15分
■車でのアクセス
 伊勢自動車道「玉城IC」から北へ車で約20分
■  駐車場
 無料(約200台)

Page Top