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一次産業の素晴らしさを伝える エコツーリズム 江崎 貴久さん(伊勢志摩国立公園指定70周年インタビュー)

掲載日:2016.11.26

インタビュー「私が感じる伊勢志摩国立公園の魅力」
伊勢志摩国立公園は海あり、神宮の森あり、そしてそこに根ざした人々の豊かな暮らしがあります。そうした様々な魅力を、様々な角度から語っていただきました。

今回は鳥羽市エコツーリズム推進協議会会長 江崎 貴久(えざき・きく)さんにお話しを伺います。

(記事協力 : <a href="http://www.isenp.co.jp/" target="_blank">伊勢新聞社</a>)

インタビュー「私が感じる伊勢志摩国立公園の魅力」
伊勢志摩国立公園は海あり、神宮の森あり、そしてそこに根ざした人々の豊かな暮らしがあります。そうした様々な魅力を、様々な角度から語っていただきました。

今回は鳥羽市エコツーリズム推進協議会会長 江崎 貴久(えざき・きく)さんにお話しを伺います。

(記事協力 : 伊勢新聞社
■0から1を生み出す一次産業の魅力

一次産業って「0から1が生まれる瞬間」だと思うんです。例えば海の中でロープを張るだけで、そこからワカメが生えてくる。ありのままの自然から生活を生み出し、産業を生み出す、それが一次産業だと思う。でも0から1を生み出す力が今すごく落ちている。自然の力もそうだし、人の力もそう。でもその素晴らしさを伝えることが伊勢志摩のエコツーリズムだと思います。
■一つ一つの作業に込められた自然への感謝

伊勢志摩サミットの時、プレスツアーをさせてもらったのですが、常に1分1秒を争う仲買さんたちも登場してもらって、活魚の鮮度を保つために1匹1匹神経締めするところも見せてくれた。

そういう一つ一つ丁寧に扱うことって、自然に感謝してないとできないと思う。魚が育つのに何年もかかるし、漁場も地域で守る。私たちのもとに届くまでに、漁師さん、仲買さんほか多くの人が関わっている。その一つでもうまくいかなかったらおいしい魚は食べられません。

こちらでは「ごく当たり前な作業」かもしれないけど、私たちの見えないところで鮮度を守ったり漁場を守ったり、自然に感謝しながら努力する人たちがいる。そういう日常を見て、感じ取ってもらいたいです。
■エコツーリズムで輝く子どもたち

菅島で「島っ子ガイド」っていう、島の小学生たちに案内ガイドをさせるツアーを10年ぐらい続けています。すると、何年も続けるうちに、子どもたちが島を訪れる人のことをしっかり考えるようになったり、全体の流れを見て自分のすべきことを発見したり、すごく成長していくのね。

しかも「島の職業ランキング」を調べて、来た人たちの前で発表したりしてね。「漁師が一番多いんだけど、今は漁師が減って公務員が多くなっています。漁師さんが減っていくのが私は嫌なので、皆さん魚を食べてください」って言うの。お客さんにとっても面白いし、そういう発想をする子どもたちもすごいよね。
■私の活動のモットー

伊勢志摩で私と同じように活動している方々との間で「どの時代の人にも恥じない取り組みをしましょう」って言っている。今の人たちがちゃんと食べられるように、未来の人たちにも同じ恩恵を残せるように、そして、資産を残して国立公園にしてくれた過去の人たちに対しても感謝しながら、国立公園の中で活動をしたいです。
鳥羽市エコツーリズム推進協議会会長 江崎 貴久(えざき・きく)さん 
プロフィル
鳥羽市出身、鳥羽市在住。京都外国語大学卒業後、東京で就職。23歳で家業の旅館「海月」を継ぎ、女将に。平成13年海島遊民くらぶ設立。数々のエコツーリズム企画で鳥羽の魅力を伝え続けている。環境省エコツーリズム大賞、地域づくり総務大臣表彰など受賞歴多数。

※この記事は伊勢新聞社 伊勢志摩国立公園指定70周年特集号に掲載されたものを転載しています。

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※掲載されている内容は2016年11月の情報となります
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