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取材レポート

三重県総合博物館(MieMu)第30回企画展「名所発見、再発見!~浮世絵でめぐる三重の魅力~」を観に行ってきました!

三重県総合博物館(MieMu)では、第30回企画展「名所発見、再発見!~浮世絵でめぐる三重の魅力~」が令和4年4月16日(土)から6月12日(日)まで開催されています。この企画は、令和2年に開催予定であったものがコロナ禍のため中止になったもので、今回満を持しての復活となります。三重県の名所を、浮世絵を中心に屏風絵や絵巻などを通して紹介しています。

※この記事には、展示内容について詳しく紹介している部分(いわゆるネタバレ的な部分)がありますのでご注意ください。

※記事内容は、令和4年4月17日時点のものであり、展示替えにより現時点で観ることができない内容が含まれます。


取材に伺った4月17日は「MieMuの日」(博物館の開館8周年記念イベントの日)でした。この日は館のテーマカラーであるオレンジグッズを身に着けて来館すると記念品がもらえるという企画があり混雑が予想されたため、開館前に特別に見せていただきました。学芸員の方々も、MieMuのテーマカラーのオレンジにちなんだグッズを身に着けて迎えてくれました。優しそうな学芸員さん達なので、なんでも質問できそうですね。

企画展示室入口には浮世絵「伊勢参宮 宮川の渡し」を拡大した巨大なパネルが飾られています。60年に一度、時には400万人をこえる人々が伊勢を目指したというおかげ参りの賑やかな様子が描かれています。子どもや女性が職場を抜け出して伊勢参りをした話や、犬が伊勢参りをしたという話は有名ですが、この浮世絵にも老若男女とあわせて犬が描かれています。

展示室は古い歴史資料の劣化を防ぐため薄暗くなっていて写真撮影は禁止されていますが、展示室の概観を撮影して写真を紹介記事に利用する目的で特別に博物館の許可を頂きました。同様に、三重県総合博物館の収蔵品に限り許可を頂いて撮影しています。

最初の部屋では三重県の名所づくしというテーマで、伊勢参宮図屏風や、歌川広重をはじめとする絵師の浮世絵東海道五十三次シリーズが展示されています。自由に旅行ができなかった江戸時代、例外的に認められたのが伊勢神宮への旅だったとよくいわれますが、このように様々に描かれた絵画を見ると伊勢がいかに当時の人々を引き付けたか、まさに憧れの地だったことがよくわかります。そして、伊勢に向かう道中のさまざまな名所を巡るのも旅の楽しみだったのでしょう。

展示室入口(写真右側)にある屏風や巻物は、見ごたえがあります。特に、伊勢参宮図屏風は、学芸員の方にうかがうと、この屏風はもともと左右ばらばらとなって所蔵されていたとのこと。左側の外宮の屏風と右側の内宮の屏風が揃って一そろいとなる展示は、三重県では初めてだそうです。名古屋市博物館所蔵の外宮を描いた屏風は平成27年に初公開され、近年東京都の根津美術館所蔵の内宮を描いた屏風と対になることが判明しました。平成31年4月には、根津美術館において一そろいで展示されたとのことです。この展示は期間限定(前期:~5月15日(日))ということです。なお、(後期:5月17日(火)~6月12日(日))は、金色の絵の具もきらびやかな別の伊勢参宮屏風(江戸時代後期)が並ぶ予定だそうです。これもMieMuでの展示は初めてとのことで楽しみです。

ちなみに、後期の展示では30点を超える資料が展示替えとなり、新しい資料を観ていただくことが可能になるそうですよ。展示では保永堂版(※)の名作の一つとされる庄野も展示されるそうです。今回のレポートのために、博物館から特別にこの画像を提供していただきました。確かに、どこかで見たことのある絵柄です。後期の展示も観に行きたくなりますね。

※保永堂版:20種類以上のシリーズがある歌川広重の代表作「東海道五拾三次」の中でも、広重が30代で描いた最も有名な版。

続いて、三重にあった東海道の七つの宿場(桑名、四日市、石薬師、庄野、亀山、関、坂下)の浮世絵もずらりと展示されているので、解説を読みながらじっくりと時間をかけて観覧したいところです。中には、名所とあわせて人気の歌舞伎役者が描かれたものや、歌舞伎の場面に登場することを紹介するような画面構成のものもあります。名所の風景とは一見関係ないように思いますが、現代のインフルエンサーを介した名所のPRや映画ロケ地の聖地巡礼といった活動を彷彿とさせます。

ちなみに、このコーナーで一番印象に残ったのは、石薬師の桜が、ゴッホの絵に登場しているという解説でした!浮世絵が世界に影響を与えたとよくいわれますが、身近な三重の名所がゴッホの絵に登場という事実にびっくりです。石薬師の桜は必見ですよ!

東海道五十三次の宿場がマス目に描かれた道中すごろくです。江戸時代の人々はこういった遊びで旅行気分を味わっていたんですね。印象的なのは、伊勢神宮とあわせて二見浦がゴールになっていたことです。二見浦については、他にも多数の浮世絵が展示されており、改めて三重県を代表する名所であることが分かりました。
写真ではご紹介できませんが、この展示室奥には洛中洛外図屏風が展示されています。洛中には京の都の街並みと祭礼を含めた人々の活動、洛外には郊外の寺社や景勝地が描かれているそうです。教科書に載っているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。

名所はもともと「などころ」と読んで和歌などで題材にされる場所だったとのこと、そして次第に絵画として描かれるようになったということです。洛中洛外図屏風も展示して、名所を絵に描くということの歴史的な背景がわかるように展示したとのことです。

展示されているのは豊橋市二川宿本陣資料館所蔵の洛中洛外図屏風と、国の文化財活用センターが作成した洛中洛外図屏風(舟木本)の高精度の複製です。洛中洛外図屏風(舟木本)は複製ということで、ケースの外に展示してあります。複製といっても、文化財活用センターが作成した原本とほぼ変わりない鑑賞体験が得られるという高精細複製品とのことですので、間近で屏風の美しさ、細かい描写を観察することが出来ます。一見しただけでは複製であることがわからないほどの出来栄えにびっくりしました。

江戸時代に、桜の名所のような庶民の娯楽の場も新たに整備されたそうです。

名所を描いた絵画というと江戸時代の浮世絵の印象が強いですが、平安時代には屏風や名所絵巻に和歌が詠み添えられていたことが紹介されています。和歌に登場する歌枕としての地名が、名所の原型を成すものであるという解説から、展示の意図が分かったような気がしました。
室町時代から江戸時代にかけては、漢詩による名所の紹介もあったそうです。三重県を代表する有名な観光地のひとつ、赤目四十八滝が世に知られるきっかけとなったのが、漢詩だったというのは驚きでした。
こうしてさまざまな形で名所が見いだされ、定着していったことがよくわかります。

次のコーナーでは挿絵付きの地誌、今でいう旅行ガイドブックのような名所図会が多数展示されています。各地の名所図会や名所浮世絵があって江戸時代の人々の旅行や名所に対する関心の高さがうかがえます。名所図会の挿絵は、俯瞰した構図で詳細な風景画となっているのが特徴です。現代ならばドローンで撮影するような構図ですが、江戸時代は地上の様子を観察し想像で描いたのでしょうか。

明治8年に出版された三代歌川広重作の東海名所改正道中記です。江戸時代の趣が残る周辺の風景と、明治の近代化によって変化している人々の服装や建物の様子を観ることができます。細部までじっくりと観察すると面白いですよ。

明治20~30年代に敷設された参宮急行電鉄の沿線案内です。この頃には鉄道によって宿場が衰退して新たな名所が生まれていったことが紹介されています。

ここで一息。展示室の休憩スペースにはお伊勢参り道中すごろくが貼られています。
今日見てきたばかりの名所やお伊勢参りの行程がそのまますごろくになっていて、大人も子どもも一緒に楽しめそうな内容になっています。展示を思い出しながらご自宅でも遊んでみてください。展示室のパネルの二次元バーコードからもダウンロードできるMieMuのホームページにアクセスできるそうです。

休憩コーナーには拡大された伊勢参宮名所図会のパネルがあり、細かいところまでじっくり観ることができます。

最後のコーナーは写真撮影可能でスマホスタンドも用意されているので、記念に写真を撮りました。

第30回企画展「名所発見、再発見!~浮世絵でめぐる三重の魅力」は、普段観ることのできないたくさんの文化財や浮世絵を観ることができる、とても充実した内容となっていました。名所がどのように生まれ、受け継がれているかを考える良い機会になりました。江戸時代には誰もが知る名所だった場所が、今では知られざる名所となってしまった例なども知ることができ、人々が集う三重ならではの名所とその魅力がどうつくりあげられてきたかを考える良い機会になりました。
ぜひ皆さんも感染対策をして観に行ってみてくださいね。前期(4月16日(土)~5月15日(日))、後期(5月17日(火)~6月12日(日))の展示替えされる資料も見逃せませんよ!

ちなみに、館内2階の交流展示室では、本企画展の連携企画「じつはそれ、ぜんぶ三重なんです!~MieMuで魅力再発見!令和版三重の旅~」を開催しています。

三重県内の観光地を紹介するパンフレットを持ち帰れるようになっているので、忘れずに見て行ってくださいね。高校生以下を対象にしたクイズラリーも実施されているようですよ。
パンフレットを見ていると、県内旅行がしたくなってきます!浮世絵に描かれていた名所巡りをしてみるのもいいかもしれませんね。

三重県総合博物館「MieMu(みえむ)」

住所
津市一身田上津部田3060
電話番号
059-228-2283(三重県総合博物館 「MieMu」)
公式URL
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/
営業時間
午前9時~午後5時
※展示室への入室は午後4時30分まで
休業日
毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)
年末年始(12月29日~1月3日)
料金
【基本展示】
大人520円、大学生・各種専門学校生310円、高校生以下無料

企画展は別途観覧料が必要です。
公共交通機関でのアクセス
津駅から総合文化センター行き・夢が丘団地行き(系統番号89)乗車
総合文化センター前・総合文化センター 下車すぐ
車でのアクセス
・伊勢自動車道「芸濃IC」から約20分
・伊勢自動車道 「津IC」から約10分
カテゴリー
文化&寺社仏閣
エリア
中南勢

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