三重県の食材の良さ、旨みを、土鍋が引き出してくれるんですよ

土鍋で作る料理の良さを語る福森道歩さん。著書「スゴイぞ!土鍋」は、1年中使える土鍋料理のレシピ本として人気。
土鍋で作る料理の良さを語る福森道歩さん。著書「スゴイぞ!土鍋」は、1年中使える土鍋料理のレシピ本として人気。

この方々に話を伺いました

伊賀焼窯元 土楽 七代目 福森雅武さん(写真上)

三重県伊賀市に江戸時代から続く伊賀焼「土楽」の七代目窯元。伝統を重んじた手作りの器は、料理の味を見事に引き立てる。

八代目 福森道歩さん(写真左)

陶芸家としてはもちろん、料理研究家としても活躍中。地元の伊賀焼陶器まつり(毎年9月)でも実行委員を務め、観光振興に貢献。

伊賀焼の土鍋で作る手料理のすすめ

“七代目窯元・福森雅武さんにお話を伺います”

伊賀焼とここ土楽窯の歴史について教えてください。

伊賀地方は、450万年前までは琵琶湖の湖底だったということで、良質な粘土が採れるんです。焼き物に適した水に加え窯に不可欠な薪になるアカマツもよく育つ気候です。そして何より、奈良・京都という大消費地に近いということで、奈良時代あたりから伊賀焼が始まったようです。鎌倉時代から室町時代にかけてさらに作り手が増えたようです。ここ「土楽」は約250年~300年前、江戸時代に開窯して私で七代目です。

伊賀焼で作る料理の良さは?

焼き物は同じ粘土を使っても焼く人によって大きく変わります。手作りか機械作りかによっても、保温力が全然違ったりするんです。それと同様で、同じ食材でも、作る人や、使う調理器具によってずいぶん味が変わります。伊賀焼の土鍋で作ると、同じ料理でも味が違いますよ。

三重県を旅する方々にひとことアドバイスをいただけますか?

器も土鍋も、「自分はどう使いたいか」を考えて選ぶのが大事です。どんな料理に使うのか、どんなシーンで利用するのか、と。そして、人に言われて決めるのではなく、ぜひ自分で決めて、身銭を切って買うことが大事だと思います。自分のお金で買えば愛着がわきますし、また、次に欲しいものがわかるようになりますから。

“それでは、ここからは料理研究家でもある、八代目・福森道歩さんに三重県の食材を使ってお料理していただきます”

お肉を土鍋で焼くんですか?!

そうですよ。そんなに驚かないでください(笑)。土鍋で焼くと、遠赤外線効果でじっくりと中まで熱が伝わり、お肉がおいしくそして柔らかくなるんですよ。フライパンに比べて、旨みも増すように思いますね。また、手作りの土鍋は機械製のものと比べると粒子が詰まっていないので、土に程良く空気が含まれているんです。そのため保温性も高くなります。温かい料理が、温かいままで食卓に並ぶ。これもおいしさの秘訣ですよね。

では、伊賀牛のステーキの作り方とコツをお願いします

お肉を常温にしておき、土鍋を全体的に熱くしておくことが上手に焼くコツです。牛脂を敷いて焼けばくっつくこともありません。味付けは軽く塩を振って、あとはお酒とお醤油。素材の良さが引き立つのでこれでじゅうぶんなんです!霜降り肉と違い、赤身の旨さが際立つ伊賀牛を食べるなら、こんなシンプルな味付けがいいですよ。生唐辛子を添えて食べるとまた格別です。付け合わせには大根の葉っぱ。伊賀のお野菜は寒暖の差がある土地で育っているのでおいしいんですが、土鍋で焼くとえぐみもないですし、肉汁も吸ってさらにおいしくなります。

福森さんはきのこ採り名人だと伺いましたが?

近所の伊賀の山でおいしいきのこや山菜をいっぱい採って育ってきたので、いつの頃からか「山できのこが手を振っているのが見える」ようになりましたよ(笑)。いろいろなキノコを車を運転しながら発見できるようになりましたよ!ちなみに、伊賀は陶芸の里として有名なだけあって、土は粘土質で保水性が高い土壌なのでお米や里芋も非常に美味しく育つんですよ。伊賀米は生産量は少ないのですが、本当にお薦めですよ。

続いては伊賀牛のすき焼き、松茸入りですね!秋のご馳走ですね~。家庭で料理する際のコツはありますか?

ご家庭では、ガスコンロでもおいしくできますよ。土鍋がガスの炎を遠赤外線にしてくれますからね。三重県のお料理は素材の味を活かして、あれやこれやといっぱい調味料を入れないケースが多いように思います。土鍋はそんなお料理の時こそ、より一層素材の持つ味の力を引き出してくれると思います。

炊きたてごはん!幸せな気分になれる香りですね!

地元産のマイタケを使って炊き込みご飯にしてみました。お米は当然伊賀米です。もちろん炊き立ては最高ですが、土鍋で炊くと冷めてもおいしく、お弁当にもいいと思います。土鍋は秋冬にしか使わず、春になると片づけてしまうご家庭も多いと思いますが、こうやってごはんを炊いたり、焼いたり蒸したり炒めたり、いろんな使い方ができます。プリンなどのデザートだってできちゃいます。ぜひ、1年を通して土鍋を使ってみてください。お気に入りの土鍋や器を探しに、伊賀焼の里を旅していただければ嬉しいですね。

「伊賀焼窯元 土楽」七代目・福森雅武さんのおすすめ ひのな漬け

 

これと炊きたてのご飯が最高なんですよ

土鍋で炊いたご飯、おいしいですよね。私はご飯に「ひのな漬け」を乗せて食べるのが大好きです。
ひのな漬けというのは、伊賀の特産であり赤かぶの一品種でもある「ひの菜」の漬物で、独特の辛みがありこの地方の家庭でよく食べるお漬物です。これを刻んでご飯に乗っけて食べると最高ですよ。
お酒にも合いますしね。おみやげとしても市内各所で買えますからぜひ試してみてください。

ギャラリ―の紹介 ※土楽窯内にはギャラリーがあり、器の展示、販売を行っております。

店 名
伊賀焼 土楽
住 所
三重県伊賀市丸柱1043 MAPを見る
アクセス
  • 東名阪自動車道亀山IC下車、約35分
  • 新名神高速道路信楽IC下車、約25分
電 話
0595-44-1012
営業時間
ご来窯の際にはお電話で要事前予約
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