お伊勢参りの方々をもてなす心、工夫、そして風土がここにはありますね

伊勢のおみやげの定番、赤福餅
伊勢のおみやげの定番、赤福餅

この方に話を伺いました

株式会社赤福 会長 濱田典保さん

伊勢の名物と歌われ、三重県を代表する和菓子「赤福餅」。その製造・販売を行う老舗企業、株式会社赤福の会長を務め、三重の食文化の発展に尽力。2017年4月から開催される4年に1度の祭典、第27回全国菓子大博覧会(通称「お伊勢さん菓子博」)では実行委員長も務める。

三重の餅文化の発展と継承のワケは

伊勢は、海の幸はもちろん、里山の幸も豊か。
さらに和菓子も多種多様でおいしい土地ですね。

食は本当に豊かですね。伊勢神宮がここに作られたのは、全国の中でもここが特に食の豊かな地だから、という説もあるほどですから。三重県の食は、食べ比べてみると非常に面白く、例えば牛肉でも、松阪牛は霜降りの旨さで世界的に有名ですが、伊賀牛は赤身の味わいで追従している、とか。和菓子でも、城下町に多く、お茶とともにいただく「上菓子」と、子どもたちも好きな「餅菓子・駄菓子」といわれるものとが共存しています。高級なものだけじゃなく、庶民の食も発展しているのが三重なんです。こういうのを「豊かな食文化」と言うんじゃないかな、と思いますね。

伊勢には「餅文化」というのも発展していると聞きましたが?

江戸時代、「一生に一度はお伊勢参り」というのが全国の庶民の夢でした。当時は、全国からお客様が毎日8里(約32km)も歩いて伊勢神宮を目指したそうです。その疲労回復、エネルギー補給のために、この地でお餅を召し上がることが多くなり、伊勢の国には餅文化が広く発展したようなんです。今で言うファストフードであり、パワーフードでもあったんです。伊勢うどんも、同じ感覚で人気を集めたそうですよ。

三重県には伊勢以外にも餅文化が根付いているそうですが、なぜでしょうか?

そうですね。伊勢の国に向かう街道沿いでも、旅人の腹を満たしてくれる餅文化は発展し、桑名の安永餅や四日市のなが餅など人気商品として受け継がれていますね。外側にあんこがある赤福とは違って、あんが餅の中に入っているのが多いでしょう?あれは、旅の途中でも持ち歩けるように、という当時の方々の工夫やおもてなしから生まれたんじゃないかと僕は思ってるんですよ。三重県って、昔も今も旅人をもてなす心と風土が根付いている土地だと思いますね。

では赤福も江戸時代と変わらぬおいしさを受け継いでいるのですね?

いや、実は江戸時代とは違う味なんですよ(笑)。創業当時は「塩あん」で、江戸後期から明治には黒砂糖を使った黒餡を使っていました。明治44年に明治天皇の皇后である昭憲皇太后様が伊勢神宮を参拝された際に、初めて白砂糖餡の特製品を献上したところ、非常においしいとお誉めいただきまして。これをきっかけに白砂糖餡のものを「ほまれの赤福」と名付けて販売したのが今の赤福餅なんです。

朔日参り(ついたちまいり)のお客様をもてなすお餅があるそうですが?

伊勢では昔から毎月1日になると、無事に1ヶ月を過ごせたことに感謝し、新しい月の健康を祈願して伊勢神宮に参拝する「朔日参り(ついたちまいり)」という風習があります。その際に赤福本店に立ち寄られるお客様を、季節に合った餅菓子でおもてなしするために昭和53年から発売したのが「朔日餅(ついたちもち)」なんです。月によって商品が変わるので、それを楽しみに食べ比べてくださるお客様もたくさんいらっしゃいます。8月1日は黒砂糖を使った昔の味のままの赤福を再現して朔日餅にしてるんですが、若い方からお年寄りまで幅広い層に人気ですよ。

これから三重県へ旅行される方々にアドバイスを

三重は元々は伊勢、志摩、伊賀、紀州という4つの国で、今も文化が微妙に違います。もちろん食も。いろいろ巡って違いを体感してほしいです。それらを結ぶ街道を旅してみるのもお薦めですよ。あ、それから、もちろん僕が実行委員長を務める2017年4月21日~5月14日の全国菓子大博覧会もお薦めですから(笑)。

濱田会長のおすすめ 全国菓子大博覧会(通称「お伊勢さん菓子博」)

  • 会期:2017年4月21日(金)~5月14日(日)
  • 会場:三重県営サンアリーナ及びその周辺
  • 入場料、前売り券、その他詳しい情報は公式サイトで。
    http://www.kashihaku-mie.jp/

4年に1度の菓子博が伊勢にやってくる

日本最大のお菓子の祭典。4年に1度開催され、今回で27回目の歴史あるイベントで、三重県では初開催。地元の菓子文化はもちろん、全国各地の銘菓が楽しめます。大手お菓子メーカーがお菓子の魅力をPRする「お菓子にぎわい夢横丁」や三重県内の様々なグルメが満喫できるフードコートもあります。イベントも多数!大人から子どもまでみんなが楽しめます。

お店の紹介

店 名
赤福 本店
住 所
三重県伊勢市宇治中之切町26番地 MAPを見る
アクセス
  • 近鉄宇治山田駅、伊勢市駅、JR伊勢市駅よりバスで内宮行15分、神宮会館前下車。
  • 伊勢自動車道伊勢IC下車、内宮方面へ5分、市営浦田駐車場より徒歩5分。
電 話
0596-22-7000
営業時間
05:00~17:00 年中無休
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