三重の文学

丹羽文雄の郷愁

お七夜での出来事とは・・・? 丹羽の力作「菩提樹(ぼだいじゅ)」。

お七夜での出来事とは・・・? 丹羽の力作「菩提樹(ぼだいじゅ)」

津市一身田にある真宗高田派総本山・専修寺(せんじゅじ)では、祖師・親鸞聖人の報恩講(ほうおんこう)が1月9日から8日間行われる。丹羽文雄の『菩堤樹』は、真宗高田派末寺の僧・宗珠を主人公に、この法要を巧みに折り込みながら構成されている。

丹羽は、四日市での小学校時代、高田本山で出家しており、僧の生活を送つたこともある。この経験が親鸞聖人の木像を祀る御影堂や、如来堂などの描写に生かされており、リアリティあふれる表現は、読者の想像力を剌激してくれる。

文中、「意地悪くいえば、何か時代にとりのこされた環境」という表現もされているが、近代都市に様変わりした今の津市にあつて、多くの重要文化財や寺内町の名残のある一身田は、古き良き歴史と出会える貴重な場所となつている。

作品紹介
[菩提樹]
津市・専修寺の報恩講を取り上げ、僧の宗珠を主人公に、丹羽文雄の父の像を書いた長編小説。
専修寺(せんじゅじ)[津市]

専修寺(せんじゅじ) 県内最大の寺院で、末寺が600を数える真宗高田派の総本山。重要文化財指定の建造物が多数ある。

JR一身田駅から徒歩3分または近鉄高田本山駅からバス本山前下車